トヨタのヨーロッパ法人は2021年3月3日にヤリス、ヤリスクロスに続く新世代のコンパクトカー用プラットフォームTNGA、GA-Bを使った欧州Aセグメントカーの生産を継続すること、そしてこのAセグメントカーが加わるとヨーロッパでのGA-Bプラットフォームを使ったモデルの年間生産台数が50万台に拡大することを発表した。
さて、このGA-Bプラットフォームを使ってどんなモデルが登場するのか?
今のところ具体的な情報はほとんどないが、ヤリス、ヤリスクロスに続くGA-Bプラットフォームを使った第三のモデルとなるトヨタの新しいAセグメントカーがどんなクルマになるか、考察していきたい。
文/永田恵一
写真/トヨタヨーロッパ
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現在トヨタの欧州向けAセグメントカーはどうなっている?
まず欧州Aセグメントカーというのは日本車ではトヨタパッソ&ダイハツブーン、日産マーチや三菱ミラージュ、輸入車ではVW UP!などに相当する小さめのコンパクトカーで、世界的に見れば各メーカーともエントリーカーとして重要なこともあり力を入れているジャンルである。
トヨタは現在欧州向けAセグメントカーに2014年登場の現行型で2代目となるアイゴを持っている。
2005年に初代モデルが登場したアイゴは「欧州向けAセグメントカーが必要」という思惑が一致したトヨタ、プジョー、シトロエンがそれぞれアイゴ、107→108、C1という兄弟車を3社が合弁で設立したチェコ共和国に工場を持つTCPAで生産されるモデルだ。
アイゴは全長3465×全幅1615×全高1460mm、ホイールベース2340mmという軽自動車を少し大きくしたイメージのボディサイズの、全体的にシンプルながらコンパクトカーらしい明るい雰囲気を持つモデルで、エンジンはパッソ&ブーンやヤリスにも搭載されダイハツが開発生産を担当する1リッター3気筒NA(72ps/93Nm)を搭載する。
なお、TCPAは2021年1月から車名をTMMCZ(トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ共和国)に変更されたと同時に、トヨタのヨーロッパ法人のものとなっている。
そのためAセグメントカーにおけるトヨタとプジョー&シトロエンとの協業は現行モデルで終了となる可能性が非常に高く、アイゴ後継車が有力視されるGA-Bプラットフォームを使ったトヨタのAセグメントカーは今後トヨタ独自に近い形で再出発すると思われる。
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