GA-Bプラットフォームを使ったAセグメントカーはどうなる?
GA-Bプラットフォームを使った欧州向け次期Aセグメントカーに関しては現在プレスリリースとプラットフォームの写真が公開されているだけのため、プラットフォームとエンジンやトランスミッションといったパワートレーンについて予想してみる。
●プラットフォーム
Aセグメントカー用GA-Bプラットフォームの写真を見るとフロントとリアセクションに手が加えられており、ド真ん中のコンパクトカーとなるヤリスに対し小さく軽いクルマになるのに対応し、軽量化やコスト軽減の目的も含め全体的に簡略化されたものとなりそうだ。
またトヨタの基幹技術となっている2モーターハイブリッドは、ボディサイズの小ささによりリアシート座面下に燃料タンクと配置される駆動用バッテリーが置きにくいと思われる。
さらにプレスリリースに「内燃機関の搭載により、手の届きやすい価格に抑える」という言葉があることもあり、超小型モーターを使ったマイルドハイブリッドが設定されることはあるとしても、2モーターハイブリッドが搭載される可能性は低いと思われる。
●パワートレーン
1リッター級の3気筒NAガソリンエンジンを搭載するのは現行アイゴと同様だろう。ただ、アイゴに搭載される1リッター3気筒エンジンは登場が2004年登場の初代パッソ&ブーンのときとさすがに古い。
かといって「トヨタが新たにAセグメントカー用のエンジンを開発する」というのにも疑問に感じるところもあり、そこで浮上するのがトヨタと資本提携を結ぶスズキの存在だ。
というのも2019年3月20日にトヨタとスズキが発表した2社による協業の内容の中に「デンソーとトヨタが支援するスズキの新開発エンジンをトヨタモーターマニュファクチャリングポーランドで生産し、トヨタの小型車に搭載する」というものがあり、これこそがトヨタの欧州向け次期Aセグメントカー用なのではないだろうか。
もしそうであれば、スズキが得意とするマイルドハイブリッドの設定や2ペダル車はMTの操作を自動化したAGSとするなど、価格も重要なAセグメントカーにはドンピシャリに感じる。
またトヨタの欧州向け次期Aセグメントカーがスズキのパワートレーンを搭載するのであれば、かつてのスプラッシュのようなポジションのようなモデルとしてトヨタからスズキに供給される可能性も考えられる。
次期アクアもGA-Bプラットフォームで2021年中に登場
最初にGA-Bプラットフォームを採用したヤリスは、ハイブリッドがWLTCモード36.0km/Lと驚異的な燃費なこと、運転した際に「オオッ」とインパクトを感じる走りの楽しさ、フロントセクションをGA-BプラットフォームのままリアセクションをGA-CプラットフォームとしたGRヤリスのポテンシャルなど我々を驚かせた。それは、欧州カー・オブ・ザ・イヤーや英国カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど世界からも高く評価されていることからもわかる。
このGA-Bプラットフォーム搭載車となれば、否が応でも期待が高まるというものだ。そして、このGA-Bプラットフォームの第四弾は、2021年中に登場する予定の新型アクアだ。
同じGA-Bプラットフォームながら、ヤリスよりもサイズアップし、居住空間の拡大と同時に、シートや内張、ダッシュボードなどクオリティのアップを図る。
アクアに搭載されるパワーユニットはヤリスハイブリッドと同じ1.5Lハイブリッドを搭載。従来は2WD車だけだが次期型は4WD車も設定する予定。
なお、トヨタの欧州向けAセグメントカー、次期アイゴは日本には導入されず、その役割は引き続きプラットフォームやパワートレーンをダイハツのDNGAとしたパッソ&ブーンの次期モデルが担うことになるだろう。
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