■日産マーチスーパーターボ
最後は最も印象的だったスーパーチャージャー搭載車を挙げる。
日産のエントリーカーとして開発され、1982年10月にデビューしたのが初代マーチだった。女性ユーザーやセカンドカー需要を狙ったファミリーカーとしての性格が強かったが、1985年にターボ車を追加している。
1988年夏にはモータースポーツのベース車、マーチRを送り込んだ。
最大の特徴は、ターボにスーパーチャージャーを加えたツインチャージャーとしていることである。1989年1月のマイナーチェンジのとき、量産型の「スーパーターボ」を投入した。
マーチRおよびマーチスーパーターボの心臓は、総アルミ製のM10ET型直列4気筒SOHCインタークーラー付きターボのボアを2mm詰め、排気量を987ccから930ccにしたMA09ERT型エンジンだ。
ここにターボが苦手とする低回転域のレスポンス向上を狙い、スーパーチャージャーも追加。これをわずか770kgの車体に搭載した。
ラリー参戦のために開発され、そのカタログモデルと言えるのがスーパーターボである。MA09ERT型は110ps/13.3kgmを発生。
マーチRと違い、3速AT車も用意されていた。販売的には成功したとは言えないが(そのため一代で姿を消した)、その挑戦的で実験的なメカニズムは充分「名車」といえるモデルであり、日本車史に残すべき偉大なクルマといえよう。
コメント
コメントの使い方