■日産 コンセプト2020 ビジョン グランツーリスモ
2014年7月登場。モータースポーツの故郷、イギリスの若手デザイナーがデザインを手がけ、日本の若手エンジニアたちによって魂を吹き込まれたビジョン グランツーリスモ。
メインコンパートメントから独立した前後のフェンダーが特長的で、ボリューム感と軽さを両立させた不思議なたたずまいを持つ。空力性能も優れており、時速300kmでおよそ400kgのダウンフォースを発生する。
パワートレインは、V6ツインターボにフロント2、リア1という計3つのモーターを組み合わせたハイブリッド。左右独立制御のフロントモーターが生み出すトルクベクタリングとアクティブサスペンションにより、超高速域でも不安のないコーナリングを生み出す。次期GT-Rとの共通性を探りたくなるモデルだ。
■スバル VIZIV GT ビジョン グランツーリスモ
2014年11月登場。同年3月のジュネーブショーで公開された「SUBARU VIZIV 2 CONCEPT」のデザイン言語を踏襲しつつ、よりダイナミックでソリッドな造形を織り込んだビジョン グランツーリスモ。その発想は、偶然デザイナーが見つけた鰹節の塊がモチーフになったという。
カーボン素材を多用することによって車重は1,380kgまで軽量化。パワートレインは、伝統の2L水平対向エンジンにフロント1、リア2という計3つのモーターを組み合わせたハイブリッドを採用している。
ジュネーブショーで発表された「VIZIV TOURER CONCEPT」を見ても、このビジョン グランツーリスモがスバルのデザイントレンドのど真ん中にあることは確か。ひょっとしたら、この2ドアクーペも意外な形で市販化されるかもしれない。
■トヨタ FT-1 ビジョン グランツーリスモ
2014年9月登場。同年1月のデトロイトショーで公開されたスポーツデザインコンセプト、FT-1をベースに、カリフォルニアのCALTY DESIGNが作り上げたレーシングバージョンだ。
オリジナルのFT-1が持つ「機能造形美」を、ピュアなレーシングカーとしてより際立たせたモデルで、ふくよかに張り出した前後フェンダーや拡大されたエアインテークなど、サーキットでの勝利を最優先したモディファイが施されている。フロントのスポイラーやカナード、リアの大型ウイングの効果も検証済みで、ダウンフォース獲得に大きな役割を果たすという。
今年3月、トヨタがGRスープラ レーシングコンセプトを発表した時、このビジョン グランツーリスモとの共通性が話題になった。バーチャルな世界のポテンシャルを感じさせた1台といえよう。
■トヨタ GRスープラ レーシングコンセプト
最後に、ビジョン グランツーリスモではないが、グランツーリスモで楽しめる1台を紹介しよう。それが前項でも触れたトヨタ GRスープラ レーシングコンセプト。4月のアップデートによって、グランツーリスモSPORTに追加された注目の1台だ。
GRスープラ レーシングコンセプトは、LM-GTE規定に基づいて作られたレーシングカーと言われるが、実際の参戦計画はない。つまりグランツーリスモのプレイヤーだけが、そのパフォーマンスを体験できる唯一のテストドライバーというわけだ。
ゲーム中では、実際のコンセプトカーとまったく変わらないスペックが体験できる。迫力あるエクステリアはもちろん、後方確認モニターなどを備えたコックピットも忠実に再現されているという。来年登場するスープラのパフォーマンスを占ううえでも、体験しておいて損のない1台に違いない。
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