四駆界の重鎮たちも、本栖ハイランドを懐かしむ
JAFEAの顧問を務める(株)ティアンドエムカンパニー代表の生井幹雄氏は本栖ハイランドが人気だった理由を以下のように話してくれた。
「オフロードコース自体も非常に広大で魅力的でしたが、やはり何と言っても富士山を目の前に臨む立地のすばらしさが魅力でしたね。全国規模の4駆イベントを開催する場合も、遠方から参加される方々が周辺の観光を楽しみながら温泉地で宿泊するなどイベントに付随する魅力がありました。
また、立地的に関東からも中部地方からも参加がしやすいのも良かったです。現在、JAFEAのイベントは茨城県で開催していますが、やはり茨城となると中部地方からの参加者は激減してしまいました」
複数の4WDショップが合同で現在も開催されている「マウンテンクルーズ」というイベントも、2008年秋までは例年、本栖ハイランドで行われていた。株式会社リンエイ松代一彦社長も会場として使ったオフロードコースを懐かしむ。
「本栖ハイランドのすばらしさは作られた人工的なオフロードコースではなく自然の地形をそのまま使用して楽しめるコースだったということですね。広大な敷地のほとんどすべてのエリアを使って、オフロード走行を楽しんでいましたよ。岩だらけのごつごつしたエリアだけではなく、第一駐車場から調整池まではフラットダートがあり、ダート競技などに使用していました。通称飛行場と呼んでいましたね」
実は今も、オフロードコースはそのまま残っている!
2008年いっぱいで営業を終了した本栖ハイランドのオフロードコースは、その後、芝桜まつりの会場になったので影も形もすっかり無くなった…と聞いていたのだが…。実は、本栖ハイランドの昔を知る関係者に聞いたところ、「採算が合わないので閉鎖しましたが、実は現在もコースはそのまま残っています」と教えてくれた。
オフロードコースはすっかり整地されてしまったと思っていたので、これはなんだか嬉しかった。今はコースとして使っていないので、当然のことながら草や樹木も伸びっぱなしとのことだが、それでも多くの4×4乗りを熱狂させた「ガメラ岩」や、トライアル競技などにも使用した直径80cmくらいの土管なども当時のまま置いてあるそうだ。
また、オフロードコースとしての営業はしていないが、2018年11月より年1回開催されている「ミリキャン」(ミリタリー&キャンプ)など、ミリタリー系のイベント会場として使われているエリアもある。ファミリーやソロ、グループと様々なスタイルで楽しめるイベントで、第1回300名、2回400名、3回500名と回を追うごとに参加者がふえている人気イベントだ。2021年11月20~22日には、第4回ミリキャン(主催:ミリキャン運営委員会)の開催が予定されている。
会場となっているのは第2駐車場と呼ばれるエリアで、本栖ハイランドの管理者によると、「芝桜まつり」が行われる4月~5月は駐車場として使用するため貸し出しはできないが、それ以外の時期であれば「オールナイトでの音楽演奏はNG」など一定の制限はあるものの、貸し出しは可能とのこと。
主催のハンマーズに本栖ハイランドの魅力について聞いてみた。
「ミリタリーに理解のある会場なので、通常のキャンプ場やイベント広場では不可の『軍服を来てエアガンをぶら下げながら歩くこと』や『サバイバルゲーム』などが可能なところが最大の魅力です。また、関東からも関西からも集まりやすいエリアというのも良いですね。第2駐車場のキャンプキャパが600名くらいなので順調に行けば今年は満員御礼になるかも知れません。」
なるほど、オフロードコース時代と同様、自由度が高い会場のようである。
ミリキャンでは例年、M113装甲車や自衛隊パジェロなどがゲスト参加して敷地内の林道を中心にした同乗試乗のイベントが実施されて参加者から大変好評を得ている。これらの同乗試乗は今年も開催予定とのこと。
フラットダートを走るハンビー(ハマー)や本物そっくりの各種軍用車など集まるクルマもかなりディープで興味深い。キャンプやフリマはもちろん、隣接したフィールドでサバゲなどサブイベントも開催される。なお、募集は2021年7月頃から予定とのこと。
本栖のオフロードコースに思いをはせながらの、懐かしキャンプも楽しめそうだ。
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