スズキワゴンR アンブレラホルダー
センチュリーに靴べら差しがついているように、ロールス・ロイスのリアのドアには傘が仕込まれている。
だが我々のスズキワゴンRもおもてなしの気持ちは負けてはいない。左右の後席ドアには濡れた傘を片付けられるアンブレラホルダーが仕込まれているのだ。
濡れた傘で服やシートが濡れるのを防いでくれる女性に優しいおもてなし装備。
これだとドアポケットの中が水浸しになるのでは、という心配はご無用、水滴はちゃんと車外に落ちる形状になっている。梅雨の時期にぴったりだ。筆者は全く気にすることなくいつも濡れた傘をフロアに置いているが……。
テスラのドッグモード!?
ここまで日本車を見てきたが、次はクルマ界の異端児テスラを見てみよう。実は日本車以上におもてなし度がすごい。
まずはドッグモード。犬を連れて出かけ、クルマの中に犬を待たせておく時の機能。
ただ単純に室内温度を一定に保つだけではなく、ディスプレイに「このクルマのオーナーはすぐに戻ります。ご心配なく! A/Cはオンで華氏70度(摂氏21度)です」というメッセージがでかでかと表示される。
ワンコやオーナーのためでもあるが、EVだとエアコンがオンになっているかどうかを外から知ることは難しく、外から見た人が動物虐待だと勘違いしないためのおもてなし機能だ。
次はカラオケ。テスラ流にいうと「Car」aokeだそうだ。プリセットされた曲の中から選んでカラオケができABBAのダンシングクイーンなどが歌えるそうだ。
充電中に退屈しのぎにやるのはいいかもしれないが、高速道路のSAなどで熱唱しているところを人に見られるのは恥ずかしい。
これ以外にもクリスマスになるとサンタモードが出現したり、暖炉がスクリーンに表れてシートヒーターと暖房がオンになったりするなどかなりやり過ぎ感のあるユニークなおもてなしがふんだん盛り込まれている。
テスラは自動車メーカーとしてクルマを作っているというよりはスマホのようにデバイスによる体験をユーザーに提供しているのを象徴しているかのようだ。
メルセデス・ベンツSクラスははるか先をいく
おもてなし機能といえば日本車の独壇場だと思っていたが、最新のメルセデスのフラッグシップははるか先にいっている、かもしれない。
「次の角で曲がるのかその次の角で曲がるのかどっちかわからなくなる」、というのはカーナビあるあるだが、Sクラスの場合AR(人工現実)ナビゲーションがヘッドアップディスプレイ上に表示され、10m前方の道路上に矢印が映し出されて進行方向を誘導する。
ほかにも指を天井から後ろに振るだけでサンルーフが開く、まるで「開けゴマ」の世界だったり、停止しているクルマから降りようとしているときに後方から自転車やクルマが接近してくると警告音と警告灯の点滅で教えてくれる機能など最新のおもてなしがてんこ盛りだ。
こういうところではこれまでレクサスが世界最先端を行っていたイメージがあったので日本人としてやや残念でならない。
コメント
コメントの使い方