【ノートNISMO、スイフト…】自ら操る“手漕ぎ”の楽しい国産MT車 10選

初心者でも扱いやすいファン・トゥMT車 5選

■シビックハッチバック

シビック/価格:280万440円/6MT【搭載グレード:ハッチバック ホンダセンシング】
シビック/価格:280万440円/6MT【搭載グレード:ハッチバック ホンダセンシング】

良好なシフトフィールに加え、クラッチも扱いやすい。1.5Lターボの182ps/24.5kgmという動力性能はベテランドライバーでもちょうどいいところで、パワー不足もしくは「パワーがあり過ぎて持て余す」といったストレスを感じることがないのも含め“走る楽しさ”という実用車では今時ちょっと驚くシビックのコンセプトに一番合っているのはハッチバックの6MTと断言できる。

それだけにニッチなモデルなのは事実にせよ、輸入車に欲しい仕様のこのモデルが売れているというのも(イギリス製だけど)、先々はともかくとしてよくわかる。

■スイフトスポーツ

日本車のスポーツコンパクトが1.6L・NA止まりなところ、2.4L・NA級のトルクを持つ1.4Lターボを搭載しているだけに、速さは周りを圧倒する。

ふつうのスイフトと同様に刺激こそないものの、プレシジョン(正確性)が高く、操作どおりに動いてくれるハンドリングや乗り心地はすばらしい。

その半面、速いもののエンジンに面白みは薄く、6MTのシフトフィールやクラッチフィールが特にいいというワケでもないのも事実だ。

と文句を書いたが、それでもスイスポは200万円以下でこれだけの性能と楽しさを備えているのは偉大であり、このDNAが途切れないことを切に願う。

■デミオ15MB

デミオ 15MB/価格:156万600円/6MT
デミオ 15MB/価格:156万600円/6MT

6MTのシフトフィールは適度な節度のなかシットリとした感覚があり、世界中のホットハッチのなかでもトップクラス。

クラッチの踏力は軽めながら、ミート感がすばらしく、実に扱いやすい。動力性能は1.5L・NAとしては並レベルだが、当然ながらデミオの1.3Lに対し全域で排気量相応の力強さが感じられ、公道でも楽しめる範囲のパワーなのもいい。

ハイオク仕様なのがちょっと痛いけど、実用燃費も1.3Lのデミオと同等だ。全体的に車自体は普通といえばふつうだが、価格が安いので、そのぶんをスポーツ走行やチューニングの費用に回すのが、15MBらしい楽しみ方だと思う。

■スイフト RS

スイフト RS/価格:159万4080円/5MT
スイフト RS/価格:159万4080円/5MT

エンジン、シフトフィール、クラッチフィールに1.2L・NAコンパクトカーとして特筆すべき点はないが、870kgという周りのコンパクトカーに対して100kg以上軽い車重の恩恵で、加速感はライバルを二歩ほどリード。

ハンドリングも刺激こそないものの実に軽快で、スイフトの車名の由来にふさわしい。これが入門車なら、「クルマって楽しい!」と車への興味も増し、ドラテクも自ずと向上するに違いない。

各部がRSに劣るのは事実ながら、激安の特別仕様車XGリミテッド(5MT車は安全装備つきで145万6920円)を選ぶのもいい。

■アルトワークス

スイフト同様に車重が670kgと軽いのに加え、搭載されるターボエンジンも全域でモリモリとしたパンチがあり、適度な刺激を日常的に楽しめる。5MTのシフトフィールやクラッチフィールも良好だ。

ハンドリングや乗り心地も子供っぽさを感じてしまうちょっと手前くらいで危なさもなく上手にまとまっている。

クルマを知っている大人が乗っても大きな不満を覚えることはない。着座位置が高すぎるレカロシートだけは問題だが(オプションにすれば価格も下がってよかったと思う)、それ以外は維持費も含めローコストで楽しめる貴重な存在で、多くの人に薦められる。

【永田恵一】

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