味付け異なる軽量FRスポーツの雄に君臨するのは?
【TEXT・評価/松田秀士】
◆エントリーリスト
・トヨタ 86 GR/496万8000円
・スバル BRZ STIスポーツ/353万1600~359万1000円
・マツダ ロードスターRF RS/381万2400円
86 GRは2016年に限定生産された86 GRMNのボディ&サスペンションをベースとしている。エンジンはノーマル。その意味ではBRZ STIスポーツも同じで、いわば両車のボディ&サスペンションチューニングの勝負だ。
86 GRMNは前期型がベースだったが、86 GRはマイチェン後のモデルがベース。ザックス製ショックアブソーバーを使うなど、共通点は多い。もちろん車体が姉妹車だからそれは言うまでもないが。
この手のクルマに乗り心地がどうのこうの、と言い始めて久しいけれども、乗り心地はタイヤがしっかりと路面に追従しているか? という判断の指標になる。
レーシングカーではないのだから、一般道の荒れた路面で実力を発揮するにはサスペンションの追従性が問われる。それはイコール乗り心地にも影響する。
ただ、シートチューニングで乗り心地を作り出しているクルマもあるから、そこは見極めないといけない。
86 GRもBRZ STIスポーツの両者ともにサスペンションはかなり締まっていて硬い。しかし、峠で跳ねて困るかというと、そのあたりは上手に調教されている。
だからといって手放しで乗り心地がいいと言えないのは、速度域が上がるにしたがって乗り心地がよくなるから。
これは、ダンパーの高速域での減衰を適度に抜いているからだろう。逆に低速域でしっかりさせ、ハンドリングにダイレクト感を持たせている。だから低速域ではけっこう乗り心地はハード。スポーツモデルではしかたがない。
が、ロードスターRF RSに乗ると、そのすべてにおいて納得できるレベル。フロントサスペンションがダブルウィッシュボーン式(86/BRZはストラット式)であるのに加えて、ステアリングタイロッドが前引き(86/BRZは後ろ引き)という、F1でも常識なレイアウト。なので、ロールをしっかりと使いながら、ハンドリングもいい。
ベースのロードスターよりも重いが、ボディの剛性アップはルーフを得たことで格段にアップ。重さは2Lエンジンの出力でカバーしている。
ロードスターRF RSならハンドリングを楽しみ、デートカーとしても魅力的だ。
◆3車の採点
ロードスター RF/90点
86 GR/80点
BRZ STI/79点
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