どれもスパルタン! 最新国産過給スポーツのNo.1は?
【TEXT・評価/松田秀士】
◆エントリーリスト
・ホンダ シビックタイプR/450万360円
・スバル WRX STIタイプRA-R/499万8240円
・トヨタ ヴィッツ GRMN/400万円
ヴィッツGRMNは3ドアHBのいわゆるホットハッチ。しかし、エンジンルームにはロータスのマークが! 実はこのクルマ、欧州で製造されている。
トヨタはロータスに昔からエンジン供給していて、そのエンジンを欧州でロータスから手に入れて搭載している。スーパーチャージャーで武装、ダンパーはザックス製と素性を知れば知るほどワクワクする。
その乗り味は、FFのアンダーステア系ハイパフォーマーかと思いきや、トルセンLSD(リミテッド・スリップ・デフ)が効いてよく曲がる。ガチガチのサスペンションかと思いきや、意外にもロールを大切にしている。
シビックタイプRは、新型になってリアサスをマルチリンク式とし、こちらもストローク感をしっかり持たせている。電子制御の可変減衰力ダンパーもセットが決まっている。
こちらも日本ではなく英国で製造。この2台はFF。FFはエンジンが横置きなので、トランスミッションも横置き。縦置きのタイプRA-Rに比べると極端にフロント荷重が重い。しかし、2台ともにそのフロント荷重を感じさせずによく曲がる。さすが欧州の味つけだ。
で、群馬の心意気。タイプRA-Rは純日本製で、妥協を許さない一本気なSTIの作品。乗り心地はそれほどよくはないが、トランスミッションはMTで、エンジン縦置きのAWD。
バランスのよさとクルマに乗せられている感がなく、自分で操るダイレクトな楽しさがある。それはほかの2車のベースが居住性重視のFFに対し、走行性能に重点を置いた縦置きAWDだから。スポーツモデルにとってこの差は大きい。
◆3車の採点
WRX STIタイプRA-R/90点
シビックタイプR/86点
ヴィッツGRMN/82点
最新プラットフォームで一新! 今買いのトヨタHVは?
【TEXT・評価/国沢光宏】
◆エントリーリスト
・トヨタ プリウス/242万9018~319万9745円(2WD)
・トヨタ C-HR/264万6000~290万5200円(HV/2WD)
・トヨタ カローラスポーツ/241万9200~268万9200円(HV/2WD)
迷った時はマイナスポイントの大きい車種から諦めるという手もある。ということで最初にパスするのがプリウス。やはりデザイン超厳しいですワな。リアシート狭く、使い勝手イマイチ。加えてハンドリングもグニャグニャだ。
プリウスしかチョイスがなければしかたないけれど、今や3兄弟揃う。積極的にプリウスを買う意味は薄い。それでもプリウスがいい、というなら新古車がお買い得。200万円以下で買えます。
全体的な魅力という点で考えるとC-HRということになるかもしれない。プリウスだと苦労する乗降性は、着座位置の高いC-HRなら楽チン。何よりザックス製のダンパーを採用した足回りのバランスが素晴らしい! だからこそC-HRの売れゆき上々だ。
販売台数でプリウスを超えられないのは、車両価格の高さとリアのラゲッジスペースの狭さ。トヨタ自身もしっかり認識しており、ヨーロッパだとC-HRの「C」を「クーペ」と表現している。
プリウスのような実用性を重視しているのなら、カローラスポーツでしょう! プリウスに勝るとも劣らない実用性を持ち(リアシートの快適性はプリウスを凌ぐ)、ヨーロッパ市場を意識した足回りだってプリウスのようなヘニャチョコじゃない。それでいて価格はプリウスよりお買い得だったりして。
コネクティッドや、世界最高レベルの性能持つ自動ブレーキもステキだ。ということでカローラスポーツに軍配を挙げたい。
◆3車の採点
カローラスポーツ/75点
C-HR/70点
プリウス/60点
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