ロサンジェルス空港から118マイル(約190km)ほど北、モハヴェ砂漠を超えた小さな町に「ヴィンテージV12’s」はある。ここは第二次大戦機が搭載したエンジンのレストアやオーバーホールを専門に行う工房だ。
ここに所属する佐藤雄一氏は、80年前に製造された往年のレシプロエンジンを、飛行可能な状態に蘇らせる「唯一の日本人レストア職人」だ。メッサーシュミットが搭載したダイムラーベンツ社製のDB601や605、フォッケウルフのBMW801、零戦の栄二一型など、あらゆるエンジンを佐藤は手掛けるが、今回は佐藤氏に伺った、ロールスロイス社が開発した「マーリン」のオーバーホールに関してご紹介したい。
文/鈴木喜生、写真/佐藤雄一、藤森 篤
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