日本ではある用途のための装置などを備えた自動車を「特装車」と呼んでいます。トラックはたいがい特装車というわけです。しかも世界には、日本と同じだったり違ったりユニークだったりスゴかったり、いろんな特装車が存在します。
トラックマガジン「フルロード」では、そんな特装車を紹介する「世界の特装車」を絶賛連載中ですが、ベストカー読者の皆さまにもこの底なし沼の一端をぜひとも味わっていただきたい!
というわけで、今回はいすゞ自動車 日野自動車のモデルも活躍中! アメリカの多彩な小・中型の特装車たちをご紹介!!!
※本稿は2022年5月のものです。本文中「GVW」は「車両総重量」、「GCW」は「連結総重量」の略語です
文/緒方五郎(トラックに詳しいフリーライター)、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
初出:『ベストカー』2022年6月26日号
■多彩な小中型特装車
クラス4~7*の特装車も紹介しよう。このクラスは日本の小・中型トラックに相当する存在だが、車格的には日本の内需車よりもひと回り以上大きいのが特徴だ。また、クラス6~7のベースシャシーは、コンベンショナル型、ウォークスルーバン型、COE型と多彩である。前二者は米国産メーカーが主流で、日野も北米専用コンベンショナル型を展開している。
やはりCOE型は少ないが、クラス8よりは普及しており、いすゞ/シボレーやパッカーグループ、オートカーが設定する。ただしそのキャブは米国産ではない。クラス4~5は、フルサイズピックアップ、コンベンショナル型とともに、いすゞのCOE型も定着している。米国では日本の小トラが高く評価されているのだ。
*編集部註:クラスについての説明は本稿最下部を参照ください。
■いすゞNPR-HD ドライバン
北米のクラス3~5レンジで普及しているのが、いすゞ・エルフで現地での総称は「Nシリーズ」である。写真はクラス3のヘビーデューティ仕様「NPR-HD」で、エンジンは5.2LディーゼルとGMPT製6.6LガソリンV8(350hp)を搭載する。
日本ではワイドキャブの上位車型となるNPRだが、北米ではこれでもシリーズ最小車型となる。燃費がよく、小回りも利くためNシリーズは都市内配送やレンタカーなどで好まれ、北米ではGM(シボレー)向けと日野向けにもOEM供給が行われている。
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