2022年9月16日、夜10時からNHKプレミアム(BS)にて放映された『さがせ!幻の絶版車』、第4回となる今回は、1960年に発売された「くろがねベビー」が特集された。東急くろがねにお勤めだった開発者と、現在まで生き延びた「くろがねベビー」実動車との感動的な再会が放映された。
文/ベストカーWeb編集部、画像/NHK
■クルマ好きはみんな大好き「軽トラ」の始祖登場
日本自動車史を彩ってきたさまざまなクルマたち。長い歴史のなかで、多くの名車が生まれ、消えていきました。この番組は、そうした歴史の中で絶版となった1000車種以上のクルマのうち、「これは」というモデルをピックアップして、実動車を探し出し、想い出を持つ人と再会させるという内容。
第4回となる今回は、1960年に発売された、四輪軽トラックの始祖ともいえるクルマ、東急くろがね社の「ベビー」。1950年代後半のトヨエース登場で、トラック全体が「三輪車」から「四輪車」へ移行する過渡期にありました。そうしたなかで、それまで主流だった軽三輪トラックも軽四輪トラックへ移行、そこで登場したのが「ベビー」だったわけです。
水冷4サイクルエンジンをリアに搭載し、当時としても手頃な価格(29万8000円)で発売して大ヒット。2年間で約2万台を生産・販売しました。
軽三輪トラックよりも安定しており乗り心地もよかった軽四輪トラックは注目を集め、富士重工(現スバル)からはサンバーが、スズキからはキャリイ、ダイハツからハイゼットが立て続けに発売されました。
残念ながら「ベビー」は性能的に後発車に追い抜かれて(ウォーターポンプが付いておらずすぐオーバーヒートしてしまった)、発売2年後に生産を終了。
番組では、福岡県久留米市にある旧車の博物館「セピアコレクション」さんに保存されている「ベビー」の実動車を探し出し、東急くろがねの開発者である眞家俊雄さん(91歳)と感動の再会を果たしていました。
この「ベビー」を始祖に持つ軽トラックは、その後、現在に至るまで進化を続け、2012年に(「ベビー」を生産終了に追い込んだ)サンバーは自社開発を終了(ダイハツハイゼットのOEMとして販売)、ホンダのアクティは2021年8月にこちらも生産終了。2022年9月の現時点では、スズキのキャリイとダイハツのハイゼットが2大勢力として業界を牽引しています。
■今や現役はハイゼット&キャリイのみ それでも愛は消えない!! 最新軽トラ事情
コアなクルマ好きであれば、「一度はオーナーになって乗り回したい」と考える軽トラ(前輪がキャビンの真下にある関係で、めちゃくちゃ独特で面白い乗り味を持っております)。この番組で興味をお持ちの方は、ぜひ一度試乗してみましょう。引っ越しの需要があるのでレンタカーなどでわりと気軽に借りられます。
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