GT-R 2024年モデルの進化を深堀り解説! 秘策の新型マフラーで2026年まで延命? 純ガソリン車最後のGT-Rになるのか?

■開発責任者の川口隆志氏に直撃インタビュー

日産自動車インフィニティ製品開発本部インフィニティ製品開発部第一プロジェクト統括グループ 車両開発主幹川口隆志氏。2013年から本格的にGT-Rチームに入り、2014年モデル、2017年モデル、2020年モデル、2022年モデルを手掛けてきた。車両計画、クルマのパッケージング、車両全体をまとめ、2019年からCVを務めている
日産自動車インフィニティ製品開発本部インフィニティ製品開発部第一プロジェクト統括グループ 車両開発主幹川口隆志氏。2013年から本格的にGT-Rチームに入り、2014年モデル、2017年モデル、2020年モデル、2022年モデルを手掛けてきた。車両計画、クルマのパッケージング、車両全体をまとめ、2019年からCVを務めている


――補足でお聞きしますが、2022年モデルに対してどれくらい速くなったのですか?

川口氏:今回のGT-R2024年モデルは、圧倒的にフロントのトラクションが生まれました。もっとトルク出せるけど、これ以上出しても、空転してしまうよねと。だったらフロントに機械式LSD。ただ通常ガチガチのLSDではありません。あまりギクシャクせずスムーズ。ただしコーナーのトラクションをかけています。ブリッピングポイントを超えたところからアクセルを踏んでいけるんです。3m、0.6台分くらい早くなりました。

GT-R NISMO 2024年モデルに限っての話だが、フロントにヘリカルLSDを入れたことによってアンダーステアが抑えられ、タイトコーナーで3m、0.6台分くらい早くなったという
GT-R NISMO 2024年モデルに限っての話だが、フロントにヘリカルLSDを入れたことによってアンダーステアが抑えられ、タイトコーナーで3m、0.6台分くらい早くなったという

 これまではメインに後輪に伝えないと、フロントがちょっと荷重が抜けて空転した瞬間トルクがなくなるので、まず全体のダウンフォースを強め、接地荷重を上げました。

 さらにそれだけポテンシャルが上げるとフロントの空転さえなければもっと前にトルクかけられるということで、LSDを少し入れることで、フロントの空転を抑えてもう少し前にトルクかけられるようになり、クルマが前に出せるようになりました。

 電制の前後トルク配分ぬついてもまるっきり見直しています。それはNISIMOですが、スタンダード仕様はまだトルクがそこまでないので、フロントLSDは入れていません。

■これだけ外観を変えたのにエンジン手をつけなかったのはなぜ?

VR38DETTはNISMOが600ps/66.5kgm、スタンダード仕様は570ps/65.0kgm。2022年モデルからパワースペックの変更は受けてない
VR38DETTはNISMOが600ps/66.5kgm、スタンダード仕様は570ps/65.0kgm。2022年モデルからパワースペックの変更は受けてない


――今回はエンジンに手を付けていません。もう変えるところがなかったのでしょうか?

 今回はエンジンに手を付けていません。前回のスペシャルエディションで出力は600ps、より高回転でバランスをとったエンジンで入れています。

正直いうと、あれだけのポテンシャルを持たせたエンジンをそう簡単に、あれ以上エンジンだけ出力を上げても、仕方ありません。トータルバランスなんです。

――意外だったのですが2007年12月の登場以来、リアウイングの形状を初めて変えました。これまでなぜ変えなかったのでしょうか?

川口氏:基準車のリアウイングを新しくしたのは2007年登場以来の初めてのことです。

 2022年Tスペックはクルマが軽くなって足が動くようになりました。そうすると操安性能が昇華したんです。もう少しダウンフォースが欲しいなとなったので、今回、バンパー、バンパー、リアウイングも変えたのです。

――GT-Rといえばニュルブルクリンクサーキットのテストタイムに力を入れてきたことで有名です。最近は聞かれませんがテストはしていないのでしょうか?

川口氏:ニュルが昔と違って変わりました。今、我々がR35GT-Rが速いでしょっと言っても、だいぶコーナーの舗装がきれいになっていますので、比較はおかしくなってしまうので、あまり意味はないと思っています。

次ページは : ■いつまでGT-Rを作るんですか?

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

新型プレリュード仮想カタログほか、スポーツカー好き大歓喜情報満載!ベストカー12月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 愛車がどれだけ部品を交換してもグズり続けて悲しみの編集…