■開発責任者の川口隆志氏に直撃インタビュー
――補足でお聞きしますが、2022年モデルに対してどれくらい速くなったのですか?
川口氏:今回のGT-R2024年モデルは、圧倒的にフロントのトラクションが生まれました。もっとトルク出せるけど、これ以上出しても、空転してしまうよねと。だったらフロントに機械式LSD。ただ通常ガチガチのLSDではありません。あまりギクシャクせずスムーズ。ただしコーナーのトラクションをかけています。ブリッピングポイントを超えたところからアクセルを踏んでいけるんです。3m、0.6台分くらい早くなりました。
これまではメインに後輪に伝えないと、フロントがちょっと荷重が抜けて空転した瞬間トルクがなくなるので、まず全体のダウンフォースを強め、接地荷重を上げました。
さらにそれだけポテンシャルが上げるとフロントの空転さえなければもっと前にトルクかけられるということで、LSDを少し入れることで、フロントの空転を抑えてもう少し前にトルクかけられるようになり、クルマが前に出せるようになりました。
電制の前後トルク配分ぬついてもまるっきり見直しています。それはNISIMOですが、スタンダード仕様はまだトルクがそこまでないので、フロントLSDは入れていません。
■これだけ外観を変えたのにエンジン手をつけなかったのはなぜ?
――今回はエンジンに手を付けていません。もう変えるところがなかったのでしょうか?
今回はエンジンに手を付けていません。前回のスペシャルエディションで出力は600ps、より高回転でバランスをとったエンジンで入れています。
正直いうと、あれだけのポテンシャルを持たせたエンジンをそう簡単に、あれ以上エンジンだけ出力を上げても、仕方ありません。トータルバランスなんです。
――意外だったのですが2007年12月の登場以来、リアウイングの形状を初めて変えました。これまでなぜ変えなかったのでしょうか?
川口氏:基準車のリアウイングを新しくしたのは2007年登場以来の初めてのことです。
2022年Tスペックはクルマが軽くなって足が動くようになりました。そうすると操安性能が昇華したんです。もう少しダウンフォースが欲しいなとなったので、今回、バンパー、バンパー、リアウイングも変えたのです。
――GT-Rといえばニュルブルクリンクサーキットのテストタイムに力を入れてきたことで有名です。最近は聞かれませんがテストはしていないのでしょうか?
川口氏:ニュルが昔と違って変わりました。今、我々がR35GT-Rが速いでしょっと言っても、だいぶコーナーの舗装がきれいになっていますので、比較はおかしくなってしまうので、あまり意味はないと思っています。
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