ハイブリッドやEVって、どうもしっくり来ないと思っている昭和生まれのおじさんがたくさんいるのではないだろうか。そこで昭和に生まれたおじさん向けに超気持ちよく回るおススメの名機(エンジン)+クルマは何か、迫ってみたい。
文/ベストカーWeb編集部、写真/日産、トヨタ、ホンダ
■R32型、R33型、R34型へ受け継がれた名機RB26DETT
昭和生まれの名機はたくさんある。ハコスカGT-Rに積まれたS20、トヨタ2000GTの3M、TE27の2TG、AE86の4AG、NSXのC30A、初代インテRのB18C、S2000のF20C、ランエボの4G63、インプレッサSTIのEJ20……と名機は何かを聞かれて思い出すエンジンとクルマは数知れず……。
そんななか、厳選に厳選を重ね、生きているうちに乗っておきたい、「これぞ名機」と自信を持ってお勧めできる3つの名機+クルマを紹介していきたい。
まずはRB26DETT型2.6L、直6ツインターボエンジンを挙げたい。RB26DETTとはResponse Balance 2600cc DOHC Electronic concentrated engine control system Twin Turboの英字の頭文字をとったもの。
RB26DETTはレースに勝つという使命をもって開発され、JTCグループAを勝ち抜くためには600psが必要という前提のものに設計されているため、シリンダーブロックやタービン、クランクシャフトなどの強度が非常に高い。
筆者は昭和生まれの50代のおじさんだが、R32GT-R、R33GT-R、R34GT-Rという3世代のRB26DETTを比べ、どの時代のRBがいいか考えてみた。
R33GT-Rは過給圧が570mm/Hg(0.78kg/cm2)→620mm/Hg(0.84kg/cm2)に引き上げられ、最大トルクが1.5kgmアップしただけだが、二次排圧が低くなり、排気ガスの抜けがよくなった影響からか、明らかにR32GT-R時代のRB26とはひと味違う、伸びのいいエンジンだったことを記憶している。
いっぽう、R34GT-R時代のRB26はどうか? 1999年1月に登場したR34GT-Rはターボをセラミック・ボールベアリングターボに変更し、過給圧を620mm/Hg(0.84kg/cm2)→685mm/Hg(0.93kg/cm2)にアップ。最大トルクを40.0kgm/4400rpmとなった。
今では3000万円を超えるといわれるVスペックNURはVスペックのN1仕様がベースになっており、専用強化シリンダー、強化ピストン、強化コンロッド低フリクションプピストンリングが採用され、精密なバランス取りが施され、セラミックからメタルに替えたボールベアリングターボが採用されている。
R34GT-R時代のRB26は、ボールベアリングターボのレスポンスのよさに加え、エンジンがR33時代のRB26よりも軽やかに吹け上がるフィールだった。
エンジンのパワフルさ、動力性能の高さは、R34GT-Rといえるが、デビューした際のインパクト、サーキットでハンドルを握った時のアテーサE-TSによるコーナリング性能がいまだ忘れられない、R32GT-R時代のRB26DETTを筆頭に推したい。
やはり6000rpmを超えたあたりから回る気持ちよさは身体に染みついているし、体感的にも人馬一体感が一番強いR32GT-Rをイチ押ししたい。
R32GT-Rに中古車相場は、現在最安価格が約480万円で、約700万円代から程度がいいタマが出てきており、1600万~2000万円クラスは走行1万㎞以内の超極上車といった具合。ぜひ一度は乗っていただきたい、おススメの一台である。
■第2世代の1JZ-GTEを搭載するX100型ツアラーV
トヨタ車のなかでは、直6が一番いいと思っている。なかでも直6の名機1JZ-GTEを搭載したX100系チェイサーツアラーVが印象深い。特に5速MT車のおもしろさは正直セダンだから舐めてかかっていたから、試乗した時にはタマげたことを思い出す。
1JZ-GTE型は、トヨタ社内で開発されたJZ系をベースにヤマハ発動機が開発および生産した2.5Lの直列6気筒ツインターボ付きエンジン。
第一世代では2.5Lの直列6気筒DOHCにトヨタ製CT12型セラミックターボチャージャー2基を組み合わせ、当時の自主規制の上限値280psを最小排気量で実現していた。それでいて、軽量なセラミックタービンにより良好なアクセルレスポンスを有し、さらに、当時としてはターボラグが極めて小さいという、まさしく名機だった。
1996年10月に登場したX100系から第二世代となり、可変バルブタイミング機構とCT15B型シングルターボチャージャーとなる。
280psの最高出力は変わらないものの、フルカウンタークランクやセミ鍛造ピストン、メタルヘッドガスケットなど、高強度のパーツが使われており、エンジンの耐久性は高かった。
軽量なセラミックタービンによる鋭いレスポンスと、当時としては圧倒的に少ないターボラグが魅力で、排気音の美しさについても定評があった。
もちろん2JZ-GTEの80スープラも捨てがたいが、いまや中古車の価格は880万~1300万円だからどう考えても手が出ない。
とはいってもX100系のチェイサーツアラーVの中古車価格帯も約300万~470万円と爆上がりをしている。
直6ならではのスムーズなエンジンフィールと、過給による爆発的な加速、そして甲高いエキゾーストノートなど、これは……、買って損はないと思う。
コメント
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セダン好きなので、実際に乗る事はなかったがツアラーVは本気で考えた。が、やはり若者には高かった(T_T)
それと、ハイパワー車ではないけどアコードインスパイアは単純にカッコいいから憧れた。
魅力的な車が幾つも被って出ていたので、憧れだけで終わった車は腐る程あるんではないでしょうか?
後半の内容、わかります。今で例えるならエスニはGR86的で凄く高い位置でまとまってるので速度域も高い。
峠や日常でも安全に楽しいのは実はZN6の方の86やインテRやEK9などの方だったりしますよね。
前半も親が乗っていた34スカイラインはGTRじゃないけれどエンジンの鼓動が感じられ、幼少であっても良さが分かりました。
1JZはその完成度やノビしろ&耐久性だけじゃなく、国産最高の官能音と名高いですね