■ひと目で印象に残るユニークなスタイル
エスカルゴのセールスポイントは、「ファッショナブルでユニークな新感覚のマルチパーパスカー」という日産の狙いどおり、商用車にありがちな野暮ったさを払拭しながら、商用車としての積載性や利便性を損なわないという二律背反的な命題を見事に両立させていたところだ。
なだらかな弧を描くサイドビューや大きなボディと小さなノーズのコントラストによって実現したユニークなスタイルは、ブティックやフラワーショップといった洒落た感覚が要求されるショップのアシとして大いにウケた。
ボディサイドのフラットなパネルは広告ボードとしても活用できるので、街を行く人々の視線を集めるフォルムも相まって、宣伝カーとして広告媒体の役割も果たしていた。ちなみにそのデザインに自信があったことは、デビュー当時、デザインに関して研究のできる本格的な美術館であるイギリスのロンドンデザイン美術館に出品したことからも伺い知れる。
外観の個性はインテリアでも表現されており、フラットなダッシュボードとベンチシート風のフロントシートにより、ユニークな雰囲気と優れた機能性を両立していた。運転席まわりは開放感を演出するテーブルタイプのデザインをベースとしながら、中央に大型スピードメーターとATシフトレバーを配置している。
コメント
コメントの使い方愛知県ではデリボーイやアルトハッスルよりも見る機会は少なかったけど、遠目でもわかる特徴的な外観だったよね。内装デザインがどうだったか忘れていたけど、今見るとポルテ/スペイドとよく似てる。個人的にセンターメーターは苦手だけど、カーナビやETCの無い時代だから、地図や通行証を置くスペースの確保は主要課題だったろう。
2014年の映画「GODZILLA」では日本の街の廃墟にさりげなく映り込んでいた。別の映画でも見かけた事があるんで、ハリウッドの美術クリエイターにこのクルマのファンがいると睨んでいる。年代や国籍不明な造形に惹きつけられるんでしょうかね。