【クルマを古くさくする最大の要因】ヘッドライトはなぜ黄ばんだり曇るのか?

自分で回復させるにはリスクが伴う

 そうなると考えたくなるのが、レンズをどうにかして復活できないか? ということ。実はポリカーボネートは紫外線に当たる側から黄変するので、その部分、つまり外側を削ってしまえば復活させることができることになります。

 インターネット上にあるライフハックの紹介ページでは、歯磨き粉やコンパウンドで劣化部分を削り取る方法や、防虫スプレーで劣化部分を溶かす方法などが紹介されています。

 防虫スプレーにはディート (DEET)と呼ばれる成分が含まれていて、このディート (DEET)がポリカーボネートを溶かす効果があるからです。

 また、専用のケミカルなども販売されています。しかし、曲面で構成されるレンズを均一にそして滑らかに仕上げるのは一筋縄ではいきません。

 ヘッドライトのレンズの劣化は黄変だけではなく、小さなキズがたくさん付くことでも起きます。ですので、下手に磨いたり溶かしたりすると、黄変部分は除去できてもほかの不具合がでてしまうことがあります。

 下手に自分で作業してしまうと、プロのメンテナンスに出しても処理しきれないこともあります。

 アッセンブリー交換を前提にDIYチャレンジするのは楽しいことなので止めませんが、楽してキレイにしたいなら、プロショップで磨いてもらうか、アッセンブリー交換してしまうのがいいでしょう。

ポリカーボネートにとって最も天敵である紫外線、点灯時の熱、さらに飛び石などによりヘッドライトのレンズは痛めつけられている
上の写真に比べてこのレベルのクリアさがキープされていれば、クルマが古くさく見えることもないし、安全面での心配もない。上下の差は歴然

 現在は技術、素材、処理が進化していますので、ヘッドライトのレンズの黄変もずいぶんと抑えられているようです。加えて、光源がLEDとなり熱問題はかなり改善されましたので、今後は黄変するまでの時間は長くなりそうです。

 しかし、レンズが樹脂である限り、いつかは黄変することでしょう。

 50年後のヒストリックカーパレードは、とてもみじめな様相となっているかもしれませんね。

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