【ハイエースらの奮闘がここに】今こそ復活を!!「数」で勝負した車たち


ユーザーのニーズに細かく応えたい→仕様の多様化で勝負

 内外装のカラーの選択肢の広さに近い話なのだが、クルマ自体の仕様を注文時に細かく選べるクルマというのもあった。

 そのひとつが2002年登場のコンパクトカーである三菱コルトに採用されたカスタマーフリーチョイスだ。

2002年にデビューした三菱コルトに初採用されたカスタマーフリーチョイスはユーザーのことを考えて設定されていたが、選ぶのが面倒というユーザーもいた。もったいない

 コルトには普通のクルマのグレード的な推奨パッケージも設定されたのだが、カスタマーフリーチョイスはスタンダートな仕様に1.3Lと1.5Lのエンジン、ボディカラーを含めたエクステリア、内装色やセパレートシートかベンチシートかといったインテリアを選んだり、装備品のオプションを加えることで自分に合ったクルマを造っていくというものである。

 なお三菱のカスタマーフリーチョイスは翌2003年に登場したミニバンのグランディスにも設定された。

 カスタマーフリーチョイスのような選択の元祖と言えるのが、前述の初代RAV4のような実験車的な要素や高い趣味性を持つ1970年に登場したスペシャルティカーである初代セリカのフルチョイスシステムだ。

日本の元祖スペシャルティカーのトヨタセリカは、フルチョイスシステムを採用していた。復活デビューする新型スープラでもチャレンジしてほしいくらい

 普及グレードに適応されたフルチョイスシステムは3種類のエンジン&トランスミッション、ボディカラーに代表されるエクステリア、8種類のインテリアを組み合わせて自分のクルマを造っていくというもので、フルチョイスシステムはこの頃からコンピューターが発達してきたからこそ実現した取り組みだったという。

 度合いによっては自分のクルマの仕様を考えるのが苦痛という人もいるにせよ、選択肢の広い内外装のカラーと同じように、費用と時間を負担する人向けに復活を望みたいシステムだ。

いろいろなエンジンが選びたい→エンジンバリエーションで勝負

 エンジンバリエーションが多いクルマ、少ないクルマというのは今も昔もあるが、「同じクルマで直6とV6のような同じ気筒数で、エンジンのサイズはまったく違うものがある」というクルマはなかなかない。

 その数少ない例がかつての日産車で、ひとつ目が1983年登場の3代目フェアレディZである。3代目フェアレディZは当時日産が「新世代のエンジン」として開発したV6でスタートしたのだが、モデルサイクル中盤で新しくなった直6も追加。

排気量の違うエンジンをラインアップしているケースはよくあるが、フェアレディZはマイチェンで3L、V6に加え、2L、直6ターボを追加して人気となった

 3代目フェアレディZは次の4代目モデルでエンジンはV6のみとなったものの、もっとすごかった(ヒドかった?)のは1983年登場のY30型以降のセドリック&グロリアだ。

 Y30型は3代目フェアレディZと同様にV6を中心としたのだが、「ディーゼルは直6しかない」、「4WDとの組み合わせは直6としかない」といった事情で、とうとう2004年に姿を消した最後のセドリック&グロリアとなったY34型まで同じクルマにV6と直6がラインナップされていた。

 近い例としてはトランスミッションの関係で同じクルマでエンジン縦置きと横置きがあったホンダZとホンダバモス、ルノー21がある。

 こういったクルマはいろいろ事情はあるにせよ、「初めの計画性やコンセプトが甘い」と言われても仕方がない面がある。

 特にセドリック&グロリアの場合は1990年代の日産の低迷期を招いたポリシーの弱さの象徴のような一例と言えるかもしれない。

「いろいろなモノを設定する」というのは手間やコストがかかることだけに時代の豊かさの象徴とも考えられ、景気がよくなってバリエーションの多いクルマ業界が再び訪れることを望みたい。

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