クルマのグローバル化が顕著で、しかも日本マーケットは縮小気味というなかで、自動車メーカーが日本マーケットだけをターゲットにした日本専売車を作ることは非常に難しくなっている。
そのあたりの事情は理解できるが、昔に比べて日本マーケットが軽視されている感は否めず一抹の寂しさを感じる。
実際日本専売車の象徴とも言える軽自動車(一部は海外でも販売)の人気は、日本の交通事情やユーザーのニーズに合致していることが人気の要因であることは間違いない。
登録車の国内専用モデルが売れないから軽自動車が売れまくるようになったのか、軽自動車が売れまくっているから登録車の国内専用モデルが売れなくなったのか、その両方なのかはわからない。
が、各メーカーがどんどん「日本市場は軽自動車でいいんじゃないかな…」と考えるようになっているように思える。
いや軽自動車、いいクルマが多いし税金安いしでありがたいんですが、しかしこの傾向が進むとどんどん日本のクルマからバラエティや精彩が失われていくように思えてならない。
ここでは、軽自動車を除く小型・普通登録車で少数派になってきた日本専売車についてその悲哀、次期モデルはどうなるのか? などを検証していく。
文:永田恵一/写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、DAIHATSU
少数派となった日本専売車にエールを贈る!
人口の減少などを理由に自動車メーカーの国内販売比率は昨今減少を続けており、トヨタとダイハツを除く自動車メーカーでは日本市場をメインターゲットに据えた日本専売車の存在感も薄れつつある。
それでも今のところは日本専売車も探してみれば見つかるが、原因はともかくとして好調に売れている日本専売車ばかりではなく、売れていない日本専売車には肩身の狭い思いをしているクルマも多い。
当記事ではクルマによって様々となっている10台の日本専売車の現状をエールともに紹介しながら、進むべき道を考察する。
トヨタマークX
■デビュー:2009年10月(2016年11月マイナーチェンジ)
■2019年3月の販売台数:602台
※マイナーチェンジは最新のものを表記(以下同)

クラウンの下に位置するラグジュアリーセダンであるマークXは、前身のマークII時代には北米、マークXになってからも中国で販売されていたが、現在は日本専売車となっている。
マークXはマークII時代に日本の中流意識にドンピシャリとマッチする大衆向け高級車として兄弟車も含め一世を風靡したが、マークII時代の終盤から始まったユーザーのセダン離れも影響し、販売は減少。
マークXになってからはセダンの魅力を追求し、販売も盛り返したものの、現在はモデルの古さもあり風前の灯で、廃止が確実視されている。
マークXは車格、コストパフォーマンスの高さなど狙いは悪くない.しかも、素性のよさからトヨタが力を入れているGRスポーツも設定されている。
根強いファンも多いので現行クラウンのプラットホームを使い、心機一転廃止の撤回を強く願いたいところだ。