マークX、フリードらは生き残れるのか!? 日本専売車の事情と悲哀

 シャトルはエアウェイブから始まったフィットベースのコンパクトステーションワゴンで、2015年登場のシャトルで3代目となる。

 地味なイメージがあるシャトルであるが、フィットベースだけにキャビンとラゲッジスペースは広く、最終的なメリットはともかくとしてハイブリッドも設定。

 安全装備も先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールを含むホンダセンシングが付くなど、なかなかソツがない。

 それだけに昨年は約2万9000台と想像以上に売れているところに、5月にはマイナーチェンジを行い、商品力をさらに強化する。

 また今後カローラから5ナンバー車がなくなると、この市場はシャトルだけとなる可能性もあり、フィットがある限り存続するであろうシャトルの未来は意外に明るいものとなりそうだ。

ダイハツブーン/トヨタパッソ

■2016年4月(2018年10月マイナーチェンジ)※データはダイハツブーン
■2019年3月の販売台数:1366台(ブーン)、5751台(パッソ)

ダイハツブーンのOEMがトヨタパッソとなる。歴代モデルともメインターゲットは女性で、今や日本では少数派となったリッターカーとしての存在価値は大きい

 ブーン/パッソは軽自動車の若干上の車格に位置する小さめコンパクトカーである。昔ながらのリッターカーの流れを汲んでいる。

 狙いは悪くなく、それなりに売れてもいるのだが、全体的にコンパクトカーとしては安っぽい。

 その割に価格が安くわけでもなく、「ならば同じ値段なら上級グレードも買える軽自動車か、もう少し出してヴィッツのようなド真ん中のコンパクトカーを考えた方がいいのでは?」と考えてしまうクルマだ。

 幸い次期モデルもあるようで、次期モデルではVW up!に対抗できる質を持つ小さめのコンパクトカーを目指すというので、大いに期待したい。

トール兄弟(ダイハツトール/トヨタタンク&ルーミー/スバルジャスティ)

■デビュー:2016年11月※データはダイハツトール
■2019年3月の販売台数:3959台(トール)、7060台(タンク)、8771台(ルーミー)、395台(ジャスティ)

トール4兄弟はかつて人気を博したダイハツCoo、トヨタbB、スバルデックスの最新版。燃費性能、ユーティリティをさらに高めたことで大人気となっている

 ダイハツトールが本家となる四兄弟はプチバンというジャンルを開拓したスズキソリオに対抗するモデルとして2016年に登場。

 ニーズの多さに加えトヨタ、スバルでも販売されることもあり昨年は約19万台が売れており、商業的には大成功である。

 しかしパッソ&ブーンをベースにしているうえに急ごしらえな印象は拭えず、全体的にクルマとしての質は高いとは言えず、残念ながら実力と販売台数の乖離は非常に大きい。

 次期モデルの話はまだ聞かないが、確実にある次期モデルは前述の次期パッソ/ブーンをベースにすると思われるので、その際には劇的な進歩を果たすに違いない。

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 このように日本専売車の現状はクルマによってさまざまである。日本市場の規模を考えると相当の販売が期待できないと、日本専売車を作るのが困難なのは事実だ。

 この点を考えると日本専売車であればベストであるが、そこまでできなくとも次期カローラセダンのように「日本専売車ではないけど、日本向けに若干でも全幅を小さくする」などの何らかの気遣いをすれば、投資と販売のバランスのいいクルマができるのではないだろうか。

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