こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 カプチーノはバブルが生み出した常識はずれの軽スポーツ!

■スポーツカーとしての理想を追求した本格派

 カプチーノが発売されたのは1991年11月だが、その2カ月前の東京モーターショーに参考出品車としてお披露目されている。ショーに登場したカプチーノは、軽自動車のサイズながら“小粋なライトウェイトスポーツ”を印象づけるスタイルはもちろん、フロントに直列3気筒エンジンを縦置きして後輪を駆動するというFRレイアウトとしていたこと。

 さらに4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを奢り、ボディの一部にカーボンやアルミニウムを用いて大幅な軽量化を図るなど、軽自動車にしてはじつに贅沢な作り込みは「リアルスポーツ」にふさわしいものと言える。

東京モーターショーに参考出品されたカプチーノは、メーカーの予想を上まわるほどの反響を獲得。それが市販化に繋がったと言われている
東京モーターショーに参考出品されたカプチーノは、メーカーの予想を上まわるほどの反響を獲得。それが市販化に繋がったと言われている

 市販に際しては実用性や安全面、生産性を考慮した改良が加えられたものの、660ccの3気筒ターボエンジンを縦置きで搭載し、駆動系や足まわりをはじめとしたメカニズムはほぼそのまま。ボディにカーボンの採用はなかったが、ボンネットを軽量アルミ製としたり、アルミ部品や高張力鍋板を採用することで車両重量を700kgとしていた。

 また、ロングノーズ&ショートデッキのボディとし、エンジンの搭載位置をフロントミッドシップ化したことによって、51対49の前後重量配分を達成していたのも本格スポーツカーを目指したスズキのこだわりが垣間見られるポイントのひとつだ。

フルモノコック構造のボディやアルミボンネットの採用により、車両重量は700kgに抑えられた。エンジンはアルトワークス用の657CCインタークーラーターボ。足回りは4輪ダブルウィッシュボーンという贅沢さ
フルモノコック構造のボディやアルミボンネットの採用により、車両重量は700kgに抑えられた。エンジンはアルトワークス用の657CCインタークーラーターボ。足回りは4輪ダブルウィッシュボーンという贅沢さ

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