レガシィはどこへゆく!?? 止まらない大型化の行方 国内生産終了!?

■独断でチョイスのマイベスト「レガシィ」トップ3

 ということで、新型レガシィがもうまもなく生まれるという時期ではあるものの、個人的レガシィ(ツーリングワゴン含む)のベストモデル3選を選びたい。

1位 (初代セダン)レガシィRS type RA

 1989年、スバルのモータースポーツ専門組織として立ち上がったばかりのSTIが、レガシィの「10万km世界速度記録」を達成した記念に製作した。

 モータースポーツ競技用特装車をユーザーに提供するとともに、スバル積年の目標であるWRCへの本格参戦をレガシィで行うことへの決意も込められた、記念すべきSTIの限定車第1号だ。

すごく地味な存在ではあったが「そこまでやるか!!」というほどの手の入れ方はさすがスバルといった感じだ

 10万キロ速度記録達成車と同様に、吸気ポート段差修正研磨や回転部分の入念なバランス取りを手作業で実施。

 鍛造ピストンや高耐圧コンロッドメタルなどの採用により、出力アップなどのハイパフォーマンス化に対応出来る潜在ポテンシャルが与えられた。

 最初は月産20台の受注生産だったが人気が高く、アプライドB型よりカタログモデルに昇格するも、競技向けゆえに現存個体は極めて少ない。

 もはや街で見かけたら、脱帽して合掌せずにはいられない名車。

2位 (3代目セダン)レガシィS401 STiバージョン

 レガシィシリーズ最初の「Sシリーズ」。3代目レガシィの開発をまとめた桂田勝氏がSTIの社長となりった。

「走ることへの情熱を抱き続ける大人の感性に響く、これまでにない質の高い走りの提案」として企画された。

 エンジンはピストン、コンロッド、クランクシャフトは手作業によるバランス調整済み。

本格的なコンプリートカーとして登場したS401。カツカツした走りだけではなく、GT性能も追求する姿勢はこの頃から始まった

 専用のバネ&ダンパーの装備やリヤサスリンクのピロボール化はもちろん、クロスメンバー補剛材追加などでボディも強化。

 さらにはステアリングのギヤレシオ変更&高剛性化、市販品にはない専用サイズのピレリPゼロを装着。

 仕上げにブレンボブレーキ採用、3代目レガシィ唯一の6MT(TY85)など、当時のスバル車としては最高・最強の装備で固め、作り手の執念を感じさせる。

 2002年当時はプレミアムなレガシィは時期尚早にて、販売台数は伸び悩んだが、それゆえに希少性は高い。

3位 (4代目セダン/ワゴンの5MT)レガシィ2.0R

 名車の誉れ高き4代目レガシィの、隠れた傑作グレード。

 4代目で実施された排気の等長等爆化による改良効果はターボよりもNAのほうが大きく、中低速トルクを維持したまま大幅な高回転化と高出力化に成功。

4代目レガシィはターボモデルにどうしても目が行くが、あえてのNAモデルもとても楽しい

 新形状のインテークマニホールドや、吸気バルブにAVCSを採用するなどしてMT向けは7100回転で190馬力を発生。

 軽量ボディも相まって、痛快なNAスポーツグレードが誕生した。

 スロットルボディがエンジン房内のほぼ中央にあり、しかも車室内向きに設置されるという縦置き水平対向エンジンならではのレイアウトを活かし、吸気チャンバーやエアクリーナーを堪能サウンドのためのスピーカーとして利用。

等長等爆エキマニであの「ドロドロ」音がなくなったが、それでも走りの効率はグッと上がった

 チャンバー内部のリブの削除や高さの変更、チャンバー面の曲率や肉厚変更により狙いの周波数域に合わせるなどして音質を入念に調律している。

 最初にして最後の痛快なNAレガシィとして覚えておきたい。

※※※

 新型レガシィはもしやするとかつてのような刺激的な存在ではないかもしれない。

 そしてB4やアウトバックについても国内生産は終了するという報道があるのを考えると、なんだか日本からレガシィが消えてしまうような寂しさも覚える。

 しかし、脈々と受け継がれる走りのよさ、そして安全性の高さはきっと次期型も継承されているはずだ。

 新型の日本上陸を心から楽しみにしたい。

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