1月に制作が発表され、10月に放送を控えているFIA-F4を題材としたTVアニメ「オーバーテイク!」。KADOKAWAとアニメ制作会社TROYCAがタッグを組むこの作品はモータースポーツが題材のアニメということでモータースポーツファンの間でも話題となっている。
なぜ今FIA-F4を題材としたのか? その経緯や作品のこだわりのポイントなどを監督のあおきえい氏、TROYCAの代表でプロデューサーの長野敏之氏にインタビューを実施した。
文/西川昇吾、写真/オーバーテイク
■題材のきっかけはSUPER GTを観戦した人の土産話
―モータースポーツ、そしてFIA-F4を題材にしようと考えた経緯を教えてください。
長野氏「元々KADOKAWAさんと定期で企画会議をしていたんです。その企画会議の雑談の中でSUPER GTの話題が出まして。グッドスマイルカンパニーさんがサポートしている関係で、レースを見る機会があったらしく、その時の土産話が最初でしたね」
あおき氏「コロナ前だから、もう4~5年ほど前の話になりますが、GTを見に行ったKADOKAWAの人がたまたまFIA-F4を見て、その話が凄く面白くて『これは作品になるかも』と思いました」
長野氏「まず話を聞いて、大変失礼とは思いますが、素直に『レースに前座ってあるんだ』って驚かされました。また見た目で判断できるくらいのお金があるチームと無いチームの差が分かるのかと…そういう他のスポーツではあまり見られない関係性がボクたちには凄く新鮮だったんです。
弱小チームが強豪を打ち負かすストーリーを描いたら面白いものになるだろうなって思い、話が進み始めました。当初ボクたちとしては下町ロケットやクールランニングのようなモノをイメージしていました。その当時はイコールコンディションだということなんて知らなかったんです」
■取材はモータースポーツを知るところから
―FIA-F4に対する取材やリサーチはどのように進みましたか?
長野氏「最初はボクたちもFIA-F4の窓口が分からなかったので、KADOKAWAの関係者を中心に手当たり次第にモータースポーツを知っている人や関係していた人に話を聞いてみた次第です。正直FIA-F4に当たるまでは結構長かったと思います(笑)」
あおき氏「まずは普通にSUPER GTを観戦するところから始まりましたね。ボクたちはモータースポーツに関しては素人なので、FIA-F4がどうとかGTがどうとかの前に、まずはモータースポーツを知るというところから始まりました。
そしてFIA-F4のパドックを見に行った時に、チーム間の差を実際に感じて驚きましたね。マシンとテントが同じなだけにお金がありそうなところと無さそうなところの差がこんなにも現れるのかと」
長野氏「あとはFIA-F4が前座であることを改めて痛感させられました。GTの走行の後にFIA-F4の走行がある日に現地に行ったのですが、GTが終わるとお客さんが帰り始めるんですよ!
『えっ!? このあとFIA-F4あるのに?』って。『オーバーテイク!』を放送することで、あの帰っちゃうお客さんを少しでも減らすのがボクたちの目標の一つです」
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