オデッセイ (4代目→5代目)
クリエイティブムーバーを掲げて1994年秋に登場した3列シートのミニバンがオデッセイだ。4代目までコンセプトは変わらなかった。低床フロアに低重心パッケージングの思想を受け継ぎ、4代目は背の高さを立体駐車場が使える高さに抑えている。
また、ドアもヒンジ式とするなど、ワゴン感覚が強い。気持ちいい走りにこだわったため、高性能エンジンを積むアブソルートを設定し、ハンドリングもワゴンのように軽やかだ。

が、2013年秋に登場した5代目オデッセイは後席用ドアを電動スライドドアとし、背も140㎜高くした。1916年にはライバルに右へならえしてハイブリッド車も設定する。
ミニバンらしいパッケージングになり、3列目も快適に座れるようになった。が、アルファード/ヴェルファイアと比べると宗旨替えは中途半端。新しいファン層は取り込めていない。

インサイト(初代→2代目→3代目)
初代モデルはNSXと同じ押し出し材を用いたフレームを採用し、ボディパーツもアルミ製にした。生産コスト採算を度外視して軽量化と燃費向上に挑んだのが初代のインサイトで、5速MTも設定して走りの愉しさにもこだわっている。
初代はハイブリッド車の傑作だったが、個性的すぎたし、2人乗りだったので販売は低迷した。そこで2代目は、ハイブリッドシステムを継承しながらも5人乗りのファミリーカーに転換している。
5ドアハッチバックに生まれ変わった2代目インサイトはプリウスとの販売合戦に敗れ、自然消滅の形で姿を消した。
そして2018年12月に3代目のインサイトがベールを脱ぐ。小型車枠を超え、3ナンバーのワイドボディとなり、正統派のセダンボディをまとっている。ハイブリッドシステムも新開発のスポーツハイブリッドだ。
見た目はよくなり、走りの実力もケタ違いにアップした。が、これほどコンセプトを変えたクルマも珍しい。



番外編/ホンダのエンジン
ホンダはライバルに先駆けてDOHCエンジンを採用し、商用車でも高回転まで気持ちよく回る。ホンダのDOHC・VTECエンジンは、レーシングエンジン並みに高回転を得意とし、レスポンスも鋭い。
最初の作品となったB16A型や初代NSXに積まれたC30A型V型6気筒DOHC・VTECは、ビッグボア、ショートストローク設計だ。だが、最近のホンダは排ガス対策と燃費を意識してロングストローク設計のエンジンばかりになっている。
高回転のパンチ力は少しマイルドになるが、実用域のトルクが大幅に増え、扱いやすくなり、燃費もいいからだ。
ハイブリッドシステムを採用したNSXのJNC型3.5L、V型6気筒やシビックタイプRのK20C型エンジンは今もショートストローク設計だが、スクエアに近い比率となっている。
ファミリー系はロングストローク設計と割り切った。ドライバビリティはよくなったし、世界的な流れは止められないが、走りにこだわるホンダ党にとっては物足りなく感じるかも。

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