50代以上のクルマ好きおじさん世代なら思わず懐かしさがこみあげてくるTURBOの鏡文字(反転文字)。今では救急車や一部のトラックにかろうじて生き残っているだけだが、そもそもどうして鏡文字が生まれたのか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部
■ランタボやジャパン(R30)に貼ってあった鏡文字のTURBOステッカー
1980年代に入ると、ツインカム、DOHCエンジンとともに、世はターボ時代に突入。1973年に登場したマルニ(2002)ターボを皮切りにセドグロにもターボ車が設定。
そんななか、スカイラインジャパン(5代目)やR30型6代目スカイライン、ランサー1800EXターボ(通称ランタボ)、初代シティターボIIなどに、TURBOの文字を反転させた鏡文字がフロントバンパーに貼られていたのを覚えているだろうか?
いまと違ってやたらクルマに純正ステッカーが貼られていた時代。ボディサイド下には、日産であればDOHC、トヨタはTWINCAM 24VALVEなどというステッカーが貼られていた。
なかでもTURBOの鏡文字はインパクト抜群、当時の走り屋の間では純正ステッカーは高いので、街のパーツ屋さんで購入したものだった。
では鏡文字なのか? 1980年代当時、20代だった筆者は、クルマ好きの友人に「高速で、前を走るクルマのルームミラーに、この鏡文字のTURBOステッカーが正しく写るから」ということだった。しかも、俺のクルマはターボ車だから道を譲ってくれ、という意味もあったという。
そういえば当時、R30型スカイラインRSに乗っていた友人は6気筒なのにターボ車に負けて悔しいからと、フロントバンパーに鏡文字のTURBOステッカーを貼った“なんちゃって”鏡文字ステッカーチューンをしていた。
最近ではすっかり見なくなったが、2020年11月に2代目N-ONEが登場した際、ホンダの純正アクセサリーをリリースしているホンダアクセスからTURBOの鏡文字ステッカーを発売している。さらにTURBOやDOHC、4WD、VTEC12VALVなどのおじさんにはたまらないステッカーがセットになっているので愛車に貼ってみるのもいいかも。
■救急車も鏡文字のステッカーが貼られている
続いて救急車のフロントボンネットに貼られている「救急」の鏡文字。これはいったいどういう理由からなのだろうか?
これは前方に走行している車両が、後方から近づく救急車をルームミラーで見ると、文字は反転した普通の状態に見えるので、接近してきた車両が救急車であることをわかりやすくするためのもので、道をいち早く譲ってもらい、救急車が早急に目的地に到着するための鏡文字ステッカーなのだ。
つまり、TURBOの鏡文字ステッカーと同じ理由ということになる。ちなみに鏡文字ステッカーは神奈川県横浜市や愛知県名古屋市、一宮市、岩倉市など一部の自治体に使われている。
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