こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】やっぱりアメリカ生まれはダメだったか! ホンダMDXはわずか3年で姿を消した3列7人乗りSUV!!!

■高性能な電子制御4WDシステムで卓越した走破性を発揮

 SUVに必須の能力といえば悪路走破性だが、MDXはVTM-4(バリアブル・トルク・マネージメント4WDシステム)+VSAという当時としては画期的なインテリジェント駆動力コントロールシステムを採用。

 VTM-4は、それまでのホンダ車に採用されてきたリアルタイム式4WDの優位性を生かしながら、フルタイム式やパートタイム式のメリットを融合したうえで、電子制御によって前後輪の駆動力配分を100:0~50:50までの間で行う4WDシステムだ。

 定速走行時はFF状態で走り、加速時や砂利道や雪路などの低μ路に侵入したときなどは後輪にも適切な駆動力を自動的に判断して伝達し、フルタイム4WDのような安定した走りを実現する。さらにぬかるみなどのハードな悪路では、駆動力の配分を前後輪でほぼ50:50に固定するロックモードを選択することで、パートタイム4WDのような直結4WD状態となって本格オフロードSUVと同等の走破性が得られる。

 この駆動力制御にABSやTCS、オーバーステアやアンダーステアなどの横滑りを抑制するVSAと協調制御することで、天候や路面状況を問わずハイレベルな車両コントロール性を発揮し、オンロードでもオフロードでも走りを安心して楽しむことができた。

大柄なボディサイズを生かして広々とした居住スペースが確保され、どの席でもゆったりとくつろげる
大柄なボディサイズを生かして広々とした居住スペースが確保され、どの席でもゆったりとくつろげる

 2004年2月にはマイナーチェンジを実施。外装デザインの変更や出力向上、サイドカーテンエアバッグシステムを採用するなどの改良と、新たにベースグレードを追加設定した。

 翌年の2005年にもマイナーチェンジが行われ、オートライトコントロール、雨滴検知式ワイパー、セキュリティアラーム、ヘッドライトレベリング機構を標準装備した。

 日本での販売は2006年6月までで、販売中の登録台数累計は1502台といまひとつだったが、海外では安定した支持を得ており、2006年に2代目、2013年には3代目、さらに2022年には4代目が登場し、アキュラブランドのフラッグシップSUVとして販売が継続されている。

 日本での正規販売は2006年に終了しているが、2023年1月に関西圏(奈良県、滋賀県、京都府)でホンダ車を販売するホンダネット京奈がMDXを並行輸入の形で販売して話題となった。ちなみにホンダネット京奈が販売するMDXの価格は1698万円と超高額となっている。

 どれだけのユーザーがその価値を見出せるかには疑問符が付くものの、初代が日本市場へ導入されたときよりもSUVクラスが活況であること、さらにホンダが海外で販売しているZR-VやWR-Vが相次いで導入されたこと、さらに1000万円超えのSUVが富裕層にとって格好の選択になったことなどの事情を鑑みると、MDXの再導入を現実的に捉えることもできる。もしかしたら数年後に、このコーナーで取り上げることになるかもしれないが……。

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