ヘッドレストスピーカー
シートとセットで安全性、快適性を高める必須のものといえばヘッドレスト。シートそのものではないが、1989年にデビューしたユーノスロードスター(NA型)にはオープンでも音楽が楽しめるようにという計らいで、ヘッドレストにスピーカーが埋め込まれていた。
その後パイオニアと共同開発したセンソリーサウンドシステムに進化しオプション設定された。これはシートバック内蔵された振動体が低音域を、 ドアのツイーターが 高音域をそれぞれカバーすることで音楽環境としては最悪のオープンでもナイスな音場を実現していた。
2代目(NB型)、3代目(NC型)ではシートバックやヘッドレストにスピーカーが内蔵されるタイプは採用されていなかったが、現行の4代目(ND型)でヘッドレストスピーカーが復活している。
コンフォタブルキャプテンシート
ミニバンの快適性を高める最も重要なアイテムがシートということに異論はないはず。上級Lクラスミニバンともなれば、リビングでくつろいでいるような錯覚を覚えるほどの豪華なシートがおごられている。外国人VIPもご指名するほどの快適性だ。
2010年にデビューした日産エルグランドに世界初採用されたコンフォタブルキャプテンシートがその最高峰と言える。
コンフォタブルキャプテンシートは、クッション一体型オットマン、シートバック中折れ機能、3層構造パッドを同時に採用することで異次元の快適性を実現している。
なかでも、シートバック中折れ機能がすばらしい。一般的なクルマのリクライニングは、背もたれの角度が変わるだけなのに対し、コンフォタブルキャプテンシートはわきの下あたりに別のレバーがついていて、下部分と上部分の角度を別々に変えることができるので、背もたれが体にフィットする。
この快適性を一度味わうともうほかのシートでは満足できないという、一見地味だが超絶優れたシロモノ。
助手席シート収納
小さなクルマで困るのは収納スペース。特に軽自動車の場合は基本的に全長、全幅は軽規格いっぱいの状態だから、快適空間を増やせば、ラゲッジを含め収納スペースが狭くなる。これはコンパクトカーでも同じ。
それゆえ、いろいろな場所にポケットエリアを設けたりすることで利便性を高めている。
それはシートについても同じで、助手席シート下収納はシート下のスペースを活用することで収納スペースを増やすことができるという発想から生まれた。
座った時の快適性を確保しつつ、スペースを無駄なく使うのは日本らしい発想で好感が持てる。
その助手席シート下収納の代名詞的存在となっているのがスズキワゴンRで、スズキではシートアンダーボックスと呼んで、いろいろな車種に拡大中。もちろん、スズキだけでなくダイハツもいろいろな車種で展開中。
そんななか、軽自動車、コンパクトカーではないのに装備していたモデルもある。三菱グランディスだ。
スズキ、ダイハツがシート下のスペースを活用しているのに対し、三菱は座面を持ち上げて収納するタイプを採用していたのが個性的かつ画期的だった。
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トヨタセンチュリーが先鞭をつけ、VIPカーの必須装備として世界中で採用されるようになっているマッサージ機能付きシートは、今では運転席を含むフロントシートまで採用されるようになっている。
シート素材でいえば、ヘビーデューティに耐えるようにと採用されたエクストレイルをはじめとする撥水素材など、より快適に過ごせるような工夫が登場している。この先も新たなもアイデアが登場するはずだ。
クルマのシートは座るためだけでなく、カーライフを楽しく豊かにするための重要なアイテムであることがわかる。
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