【もはや死語!? 今も必要!?】昔はやった運転テクニック5選

【もはや死語!? 今も必要!?】昔はやった運転テクニック5選

 いまやスポーツカーも含め多くのクルマにハイテク装備が満載されて、かつてはドライバーが行なっていた操作をかわりにやってくれる機能も増えてきたが、昔はクルマを上手く操るための裏ワザ的な運転テクニックがいくつも存在した。

 その中から、クルマ好きなら必ず耳にしたことがあるであろう代表的な例をいくつかピックアップしてみた。

 おそらく読者の多くのみなさんの中でも、たとえモータースポーツをたしなんでいなくても、やってみたくてしょうがなくてチャレンジした経験のある人も少なくないことだろう。

 それらの運転テクニックは、はたして令和を迎えた今の時代でも必要なのか? やって効果はあるのか? もはや死語になってしまったのだろうか…!?

文:岡本幸一郎/写真:MAZDA、TOYOTA、NISSAN、ベストカー編集部


ダブルクラッチ

2000年代以前のマツダ車は伝統的に2速のシンクロが弱く、手荒に扱うとすぐにシンクロが壊れるため、ダブルクラッチを実践していた人は多い(写真はFC3S)

 MT車でシフトチェンジする際に、クラッチを切ってギアをニュートラルにし、一度クラッチを繋いでニュートラルのまま必要に応じてアクセルを踏んでエンジン回転数を上げ、もう一度クラッチを踏んでみギアを入れてクラッチを繋ぐという、1度のシフトチェンジで2回クラッチ操作を行なうというテクニック。

 これは現代のMT車にはごく普通に付いているシンクロ機構の役割を人間の操作で行っていたというべきもので、現代ほどシンクロ機構がよくなかった時代、スムーズにシフトチェンジするためにはやったほうがよいとされた。

 現代のクルマは一度だけクラッチを踏んだ間にスムーズにシフトチェンジできるので実質的に必要なくなったといえるが、たとえシンクロが付いていても機構的にはダブルクラッチを行なったほうが、よりミッションに負荷をかけないことには違いない。

 暖機が充分でないなどの理由でシフトが渋い場合にもダブルクラッチをやれば入るケースも多い。覚えておいて損はなく、できるならやったほうがよい。

現代ではMT車は少数派ながら一定人気をキープ。シンクロ含め普通に運転して何も問題はない信頼性を持つが、ダブルクラッチを実践することで労わることができる

ヒール&トゥ

 MT車(マニュアルシフト可能な一部AT車も含む)で、減速してシフトダウンする際に、右足のトゥ=爪先でブレーキを踏みながら、ヒール=かかとでアクセルをあおってエンジン回転を上げてやることで、エンジンとギアの回転数を同期させてスムーズにシフトダウンしてクラッチミートできるようにするテクニック。

セミオートマチックなどを搭載していないマシンによって争われるレースでは、今でもヒール&トゥは当たり前のように行われている

 モータースポーツでは今でも当たり前のように行なわれており、公道でもちゃんとできればトランスミッションにかける負荷が小さくなるだけでなく、同乗者から見てもカッコイイし、エキゾーストサウンドを聞いても気持ちがよいものだ。

 ただし、ブレーキの踏力を変えることなく右足で同時にアクセルをふかすという操作は、慣れないとなかなか難しい。

 最近ではエンジンとギアの回転数を自動的に同調してくれる機構を持つクルマが増えてきており、だんだん不要のテクニックになりつつある。

日産は2008年にシフトダウン時に回転を同調するシンクロレブコントロールをZ33に市販車として世界初搭載。現行のフェアレディZ(Z34)にも搭載されている

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