【もはや死語!? 今も必要!?】昔はやった運転テクニック5選

左足ブレーキ

 ラリーやレースなどのモータースポーツでは、いまでも速く走るためのテクニックのひとつとしてごく普通に使われている。

 ポイントはアクセルとブレーキを同時に踏めることと、右足でアクセルとブレーキを踏み替えるタイムロスがないこと。路面が滑って常にスライドするためフルスロットルを維持したほうがよいような状況の多々あるラリーでは当たり前。

左足ブレーキは、エンジンの回転を極力落とさず荷重をコントロールする速く走るためのテクニックでスーパーGTなどのトップドライバーも普通にやっている

 フォーミュラやスーパーGTなど高速でコーナリングするレースでも、アクセルを右足で開けながら、荷重をコントロールしてトラクションを確保するために左足で微妙にブレーキをかけるというワザを実践しているドライバーは大勢いる。

 いっぽう、社会問題となっているペダルの踏み間違えに対しても、有識者も含め是か非かの論争もあるが、やったことのない人にとっては慣れるまでが大変なものの、ちゃんとできるようになったら非常に有効な解決策となるに違いない。

ATやCVTの2ペダル車での左足ブレーキの否定派は慣れるまでに時間がかかること、ブレーキを踏んだ時に踏ん張りがきかないと主張。ただしっかりできるようになれば、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を激減させることができる

フェイント

 昔の4WD車のように曲がりにくいクルマを曲げるためのテクニック。

 曲がる前に一度、曲がりたいのと逆の方向にステアリングを切ったあと、エイヤッと曲がりたい方向に切り込むことで、内輪の荷重を一気に外輪に移動させて強引にコーナリングに持ち込むことで、普通に曲がるよりも鋭くノーズをインに向けるとともに、テールスライドを誘発させることもできる。

タイとコーナーなどで大きく回り込まなければいけない時に有効なのがフェイントで、曲がりたい方向と逆にステアリングを切って、曲がりたい方向に一気にステアリングを切ることで曲がりやすくするのがフェイント

 ご参考までに、ラリーでコーナリング時にドリフト走行するのは、そのほうが速いからというよりも、何かあったときにグリップ走行よりも即座に対処しやすいからだ。

 フェイント走法は今でもラリーではよく使われているが、最近では昔ほど派手に行われていない印象も。それはクルマやタイヤが進化して昔ほど曲がりにくくなくなって必要性が薄れたり、タイヤにかかる負荷を嫌ってのことといえる。

 摩擦係数の大きい路面ほどタイヤへの負荷も大きくなるほか、横滑り防止装置の付いた現代のクルマではフェイント走法をやっても装置が介入して挙動が安定方向に修正され目的がはたせないなど、いまやメリットよりもデメリットのほうが大きいといえる状況なので、読者のみなさんにもオススメしない。

ラリーではフェイントは現在も使われているが、タイヤの進化によりグラベル、ターマックともドリフト走行よりもグリップ走行のほうがタイムロスが少ない

ソーイング

ソーイングは雪道やウェット路面など滑りやすい路面でグリップを確かめるためには今でも普通にやるテクニックだが過度にやるのは禁物

 英語で表記すると「sawing」。「saw」というのは鋸(のこぎり)のこと。コーナリング時に鋸を引くかのようにステアリングを左右に小刻みに動かすことから、そう呼ばれるようになった。

 修正舵の一種であり、これによりタイヤのグリップの具合を探りつつ、コーナリング時に高まっていく横Gを逃がすなどして、摩擦円が限界に達しアンダーステアが出るのを抑えるのが主な目的だ。ドリフト走行を維持するためにも必要に応じて使う。ウェットや圧雪のように摩擦係数が低めの路面でもっとも有効となる。

 そんなわけでソーイングはいまでも必要に応じて普通に行なう。ただし、狭い範囲とはいえタイヤと路面の関係が不安定になり、少なからずグリップが変動するので、できるだけしないにこしたことはない。

 また、完成度の高い横滑り防止装置の付いたクルマであれば、装置に任せてソーイングせず、装置を上手く作動させた状態でコーナリングしたほうが速く走れるケースもある。

MT車で速く走るためにいろいろなテクニックをあれこれ試してきたベテランドライバーも多いと思う。習得するために練習するのもクルマの楽しさだった

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