クルマのランニングコストで大きなウェイトを占めるのが燃料代。ここ数年は高止まり傾向が続いていて、レギュラーガソリンが140円/Lを切った程度でかなり安くなったような感覚になるのが何よりの証拠だ。
燃料代を節約するには燃費のいいクルマに乗るのが一番手っ取り早いということでハイブリッドカーなどの人気が高いわけだが、1円、1Lでも得したいというのは誰もが同じ。
本企画ではクルマの燃料でもガソリンに絞り、『ガソリンの賢い入れ方』と題し、昔から存在する常識なども交えながら展開していく。
文:永田恵一/写真:ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部
ガソリンは早朝入れがいい!?
県によって10円/L以上違う!? 都道府県別ガソリン平均価格はこちら
これはかなり昔から言い伝えられている得する給油方法のひとつだ。ガソリンはほかの液体同様に温度によって体積が変化する。具体的にはガソリンの温度が10℃上がれば、約0.012L(12cc)体積が増える。
例えば50L給油したとすると、0.6L増えることになる。ガソリンスタンドでは重量ではなく体積を単位に販売しているので、気温が上がる前に給油すれば0.6Lぶんのガソリンが多く入る計算になる。レギュラーを140円/Lとすると84円お得になる。
夏場は温度差が10℃程度でも冬場になると20℃なんてザラにあるため、早朝給油を習慣づけるだけで年間に得できるガソリン量、金額は無視できないレベルになる。
という感じで気温が上がる前の早朝給油が得と言われてきたが、今もそのとおりなのか!?
ガソリンスタンドのガソリン備蓄用タンクは地中に埋められているため外気温の影響を受けにくく、気温ほどの温度差がないためあまりメリットはない、というのが今の主流だ。
さらに、現在のガソリンスタンドの給油機には、JIS規格により温度補正機能の装着が義務付けられているので、夏場でタンク内のガソリンの温度が上がっていたとしても、給油する際に補正されているのでガソリン量の多い、少ないの差が出ないようになっているのだ。
朝入れは損するわけではないので、続ける人は続けて問題ない。
満タン給油より少量給油
ガソリンを満タンにするだけで当然重量は増す。重量が増せばクルマの燃費にも悪影響を及ぼすのは当然のこと。その観点から、満タンにせず半分程度の少量給油を実践している人は多いはず。
クルマは100kg軽くなると1km/Lの燃費向上が見込めるといわれている。つまり、1kgで0.01km/L燃費が向上するということだ。
例えば50L給油した場合と半分の25Lを給油した場合を見ていくと(ガソリンの比重を0.75とする)、50Lの場合は37.5kg、25Lの場合は18.75kgとなりその差は18.75kgとなるので、約0.19km/Lの燃費向上が見込める。というよりも0.19km/Lしか向上しない。
1回の給油でレギュラーが140円/Lとすると、26.6円節約できる計算になる。年間20回給油すると考えるとだいたい530円。
確かにお金を節約することはできるが、給油を面倒と感じている人にとっては1年間で530円では費用対効果が小さすぎやしないか? 給油するために走行距離が延びる可能性もあるし、想像しているよりも効果は薄い。
効果は確かにあるが、それならトランクに入れっぱなしのゴルフクラブ、洗車セットなどの普段使わないものを下ろして軽量化したほうが得策と言えそうだ。
コメント
コメントの使い方給油機(計量機)の温度補正機能の装着が義務付けられてるとは、どの法律により定められていますか?
各計量機メーカーはその機能を付けているのですか?