こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】広さの追求から解き放たれた個性際立つ上質ミニカー[スバルR2]

■4気筒ならではのスムースかつパワフルな特性

2005年11月の一部改良でスプレッドウィンググリルが消滅した
2005年11月の一部改良でスプレッドウィンググリルが消滅した

 全車に4気筒エンジンを搭載しているのもR2のトピックだ。新開発となる自然吸気DOHCエンジンをはじめ、エントリーグレードには自然吸気のSOHCエンジンをラインアップ。さらに上級グレードには、エンジン本体が軽量化されたスーパーチャージャー付きエンジンも用意された。

 トランスミッションは、ダイレクトでキビキビとした運転感覚と、滑らかな変速感を実現するi-CVTが組み合わされた。スーパーチャージャー付きエンジンにはマニュアルモードを備えた7速スポーツシフト機能が備わり、さらに自然吸気エンジン車を搭載する一部グレードでは5速MTも選択できた。

 スーパーチャージャー付きエンジンは、4気筒ならではのスムースさと、過給器によるパワフルな特性を持ち味としながら18.8km/Lの燃費を達成。主力となるDOHCエンジンなら、電子制御スロットルや可変バルブタイミング機構のAVCS(アクティブバルブコントロールシステム)の採用によって、24.0km/Lというクラストップレベルの性能を発揮するなど、走りのよさと軽自動車に必須となる経済性についても高い水準の能力を有していた。

 サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式、リアがストラット式の4輪独立懸架とした。サスペンション形式はプレオと同様だが、フロントロアアームやリアラテラルリンクを延長するといった改良によって、安定性と快適性の向上が図られている。これにより、高い剛性感がもたらす安心感としなやかな走りを実現し、上質なミニカーに相応しい走りが味わえた。

運転席まわりは明るい色使いを基本としながら、手が触れる部分の質感にこだわった作り込みがなされている
運転席まわりは明るい色使いを基本としながら、手が触れる部分の質感にこだわった作り込みがなされている

 当時の軽乗用車が重視していた「広さの追求」から解き放たれ、個性的なスタイリングを特徴としたR2は、軽自動車クラスで新たな魅力を提案した。スポーティ&エレガントなスタイルだけでなく優れた安全性や環境性能、走行性能など、スバル車ならではのパフォーマンスを実現していたことも高く評価され、2005年のRJCカーオブザイヤー特別賞ベスト軽乗用車賞を受賞した。

 2003年10月に発売され、2010年までに約13万台が生産されたR2。数を売る必要がある軽自動車としては決して多くない数字だが、スペース効率こそが正義という軽自動車クラスのトレンドに抗ったスバルのチャレンジは、軽自動車クラスに一石を投じたことは間違いない。

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