今でこそ[レパード]大人気だが発売当時は[ソアラ]に比べ見向きもされなかった!? 36年前の真実を掘り起こす【リバイバルBESTCAR】

■対決2 スタイリング:スッキリとしたレパードは意外に魅力的

後期型レパードのリアスタイル

 レパードのマイナーチェンジは前後のフェンダーを変更するほどの大規模なものだが、あまり変わりばえしていないというのがもっぱらの評判である。

 しかし撮影のために半日つき合っていたカメラマン氏によればそうではないらしい。

 「確かに派手さではソアラに劣るけど、俗にいう趣味のよさというのはレパードのほうが上じゃないかな。こうやって森をバックに2台を並べてみると、それがよくわかるよ。あまり変わっていないといわれているけど、レパードはかなり(いい方向に)変わっているね。

 ソアラも今回の取材に使ったクルマはフル装備でサイドアンダースカートとチャゴチャついているせいもあるけど、どうも竹やリマフラーが似合いそうなスタイルは田舎臭いよ」。

 うーん、そういわれてみればそんな気もしてくる。まあスタイリングは個人の趣味で選べばいいけれど、そういう風に感じる人もいるということですね。

初代に続き、大人気だった2代目20系ソアラ

■対決3 操縦性:パワーと足回りでレパードの勝ち!

ベストカー1988年10月10日号より

 レパードアルティマV30ツインカムターボとソアラ3000TWINCAM24 TURBO GT-LIMITEDの操縦性を比べてみると、レパードの乗り心地を重視したそつのない走りに対して、ソアラは個性的ともいえる走りをみせた。

 レパードはフロントがマクファーソンストラット、リアがセミトレーリングアームという至極オーソドックスなサスペンションレイアウトで、新時代のハイパワー高級車の走りを求めるには、やはり限界があると感じた。

 ま、いい乗り心地と扱いやすいハンドリングに仕上がっている。しかし、剛性感にとんだどっしりしたハンドリング、コーナリングのスタビリティという面ではいま一歩不満が残る感じだ。

 一方、ダブルウィッシュボーンとエアサスを一持つソアラは、高級車の乗り心地を確保しながら軽快でァツトワークのいいハンドリングをみせる。

 しかし、この最新のサスもステアリング操作が頬雑なハードな走りとなると、不自然な挙動が出やすくコントロール性にかけるという面が出てくる。パワステも速い操作ではナチュラル性にかけてくる。

 ジムカーナコースを設定してタイムトライアルをしてみた結果、レパードのほうがやや速かったというのは、ポテンシャルは高くないがビッグパワーに対応できるナチュラルなハンドリングを持っていたということだろう。

■ジムカーナコースタイムアタック
レパード:1回目58秒57、2回目58秒16
ソアラ:1回目59秒67、2回目58秒77

■対決4 2Lモデル/見栄を張るならやっぱりソアラ!?

後期型レパードのコクピット

 レパードはマイナーチェンジで相当車種整理が行なわれた。エンジンは4種類。それぞれにグレードはひとつずつである。そのなかで3Lターボ以外の目玉は2Lツインカムターボといえるかもしれない。エンジンも210psにパワーアップされているのに対してソアラは200psにとどまっている。この点でレパードのパワーユニットは魅力的である。

 次に価格だがこれはレパードの348万円に対し、ソアラはGTツインターボで338万2000円。L仕様で352蔓延6000円である。もちろん価格だけを比べるわけにはいかない。装備と比較しなければ……。

 しかしこの装備というのも現在の国産車ではあまり変わらないのが通常である。しかしレパードとほぼ同等の装備を施しているのはⅬ仕様のほうで、それとてLSDなどソアラにはついていないものもある。

ソアラ3.0GTリミテッドのコクピット

 3Lモデルにもいえるが、今回のマイナーチェンジでレバードは全般的に、より買いやすくなったといえそう。もちろん値引きもレハードのほうがするだろうから、狙い目に間違いなさそう。

 あまり関係ないリアシートの話をすれば、居住性はレパードのほうがいい。座面が高く、前後のスペースもわずかながらある。見た日の広々感はソアラのほうが上だが、座り心地はレパ―ドに軍配が上がる。

 最後にテレビだが、レパードのリモコンは役たたず。ちょいと方向が悪いともう使えない。使い勝手の研究をもう少ししてほしい。

次ページは : ■対決6 静粛性/馬力が少ない分低燃費のソアラ

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