■対決6 静粛性/馬力が少ない分低燃費のソアラ
最後に燃費と静粛性の話をしよう。編集部からテストコースまで約70㎞。雨の中を途中首都高の渋滞が30分ほどあつたものの、後はスムーズに流れた結果、レパードが5.5㎞/L、ソアラが5.4㎞/Lと両者ともあまりよくない。
そしてテスト時の燃費はこれも両者ともほぼ同じ50㎞弱を走った結果、レパード2.6㎞/L、ソアラ3.4㎞/L。これらはすべて満タン法で計った結果でパーフェクトとはいえないものの、かなり信用していいだろう。
というわけで、燃費という点ではレパードはソアラよりも悪そうだ。しかしそのソアラも決して誉められたものではないことも確かである。
それから静粛性だが、これは60㎞/hと100㎞/hで計測した結果、故障か偶然かまったく同じ60dbと64dbであった。速度警告音も両者ともかなり静かで控えめ。100㎞/h以上のクルージングも快適に楽しめそうだ。
■竹ちゃんマンによる総合インプレッション
まずレパードから。シーマのVG30DETを積んだレパードの動力性能はさすがにすばらしい。比較するクルマはソアラの3.0GTしかないわけだが、レパードは後出しだけにソアラ以上の性能を求めたと思う。それは最高出力で15psほど上回る数値をみてもナルホドと思うのだ。
テスト結果はゼロヨンが15秒63、0~1000mが28秒61(もちろんAT、Dレンジにて)と、どうしたわけかソアラよりわずかに劣るデータとなってしまった。
しかし、ひとつはっきりしているのは装着タイヤのレグノ(216/60R15)がダッシュ時にレパードの強力なエンジンパワーを路上に伝えきれず、ホイールスピンがかなり激しくなったことだ。
これはタイムロスにつながる(編集部注、雨上がりの路面でレパードのテスト時にはまだ相当ぬれていた。その後ソアラのテスト時にはかなり乾いてきたという状況だった)。
まあともかく、それだけのデータが出れば文句なし、エンジンはソアラ以上に高回転がよく回るが、軽快性、レスポンスにちょっぴり欠ける。とはいえ実用上、不満を感じるほどではなく、ただその強力なパフォーマンスに感謝するばかりだ。
続いてソアラ。マイナーチェンジしてより強力となった7M-GTEUは、240ps/35.0kgmを発生し、動力性能にますます余裕が生まれた。
若干水の残っている谷田部テストコースでATながらゼロヨン15秒50、0~1000m、28秒17はさすがだ(Dレンジ固定)。
高回転の伸びではいまいちだが、そのぶん低回転からもりもりトルクが発生しており、扱いやすさは抜群。エンジンレスポンスもよく、サウンドも相まってGTカーにふさわしい軽快さがある。
7M-GTEUとマニュアルトランスミッションの組み合わせもあるが、このエンジンにはやはりATがよく似合う。
装着してあった215/60R15のピレリP600はバランスがよく、トラクションの伝わり方もよかった。スタートダッシュ時のホイールスピン量が少なめで、それが好データになったようだ。
1.5トン以上のヘピー級ボディをものともせず、ぐいぐい引っ張っていくビッグパワーの凄さ、ありがたさ。255psの新型レパードの登場でソアラの立場が危うくなったかのようにみえたが、乗ってみるとまだまだいけそうである。
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1988年当時の2台の対決、いかがだっただろうか? 当時は圧倒的にハイソカーブームを牽引したソアラの人気が高く、レパードはよっぽどの日産ファンではない限り売れず、不人気だった。
ところが1986年10月から放映された『あぶない刑事』の劇中車に前期型F31レパードが使用されたこともあって、1990年代以降、現在まで人気が継続している。知らないという方は、映画『帰ってきたあぶない刑事』が2024年5月24日から公開されているのでぜひ!
大手中古車検索サイトをみると、F31レパードの中古車は30台以上流通しており、138万~1320万円までピンキリ。700万円以上となる個体は、レパード専門店の「カーショップフレンド」さんの在庫車だった。
いっぽう、2代目ソアラの中古車は流通台数は約50台で、130万~400万円。このなかには380万円のエアロキャビンも含まれている。
新車が販売していた時は2代目ソアラが圧倒的に人気だったが、36年の時を経た今、人気が逆転。まさに”あぶデカ”さまさまである。
【画像ギャラリー】2代目レパードオープンカーとソアラエアロキャビンを写真でチェック!(11枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方2代目レパードにも人気の4ドアハードトップを出せば良かったのだよw
この4ドアハードトップのボディはピラーレスで7hスカに採用されたが、RB20DEには負担が重かった。これがレパードで4ドアハードトップが出ていたなら、もろちんVG30DEが積まれ、動力性能に関してバッチシ!更に後期型でワイドボディとなり、VG30DETでも積まれた日には2代目ソアラ人気も一瞬で消し飛んだやろな♪