国民的アイドル『ももいろクローバーZ』を育て上げた川上アキラさん。実は大のクルマ好きだったりします。
そんな「ももクロ」がCMを務めるスズキだが、最近のスズキといえばやはりジムニーを避けて通ることはできないのではないでしょう。
男性なら「ジムニー欲しい病」にきっと罹患したことがあるはず。今回はジムニーに興味がありつつも、人と同じではつまらない!!
そんな欲張りな人も大満足の老舗「アピオ」のジムニーに試乗しました。
文:川上アキラ(まとめベストカー編集部)/写真:平野学
ベストカー2019年9月10日号
■ベントレーのセカンドカーにジムニーを買うという心意気!!
クルマ好きとして、ジムニーを避けて通るわけにはいかないよな。今回はジムニーのプロショップとして多くのファンを抱えるアピオ(神奈川県綾瀬市)さんに、ジムニーの魅力を聞こうとやってきた。
俺とアピオさんには縁がある。結婚してエスクード・ノマドに乗っていた頃、足回りを換えたくてダンパーを買った。それがアピオさんだったのだ。今回は10数年ぶりの訪問。実に懐かしい!!
社長の河野仁さんが快く出迎えてくださった。アピオは長年、モンゴルラリーやパリ・ダカール、ロシアンラリーとかに参戦してきた本格派だから、俺は当然泥臭いタフな話になると思っていた。ところが河野社長の話はまるで違っていたのだ。
始まったのは万年筆の話。社長は普段の書き物に万年筆を愛用されている。なぜかというと、とにかくインクが流れ出る瞬間が気持ちいいからだそうだ。
そして、人間が生きていくうえで欠かせない本質的なことには、必ずそういう気持ちよさ、官能が伴っているのだという。
河野社長曰く、俺たちが渋滞するとわかっててお盆や暮れに帰省したりするのも、移動それ自体が気持ちいいから。
そしてジムニーの一番の魅力とは、その移動することの気持ちよさを、ストレートに表現してくれるクルマだからなのだとおっしゃる。ウーム、深いじゃないか!!
社長のお話に胸を打たれた後で、デモカーの1台に試乗させていただいた。選んだのは名車LJ20型を思わせるカラシ色のモデル。
昔風の、クリアが薄くて塗料がぶ厚いソリッド感にこだわったそうだ。コットンホワイトのホイールもよくマッチしている。
走り出すと実に気持ちいい。もともとの3気筒ターボが優れていることもあるのだろうか、静香御前というオリジナルマフラーが低速トルクをより引き出している感じだ。
あえて20mmアップに抑えたオンロード志向の足回りもよかった。ノーマルとは違う車高をアピールしつつ、街乗りでもキビキビ走れる。
けっこうブロックパターンのはっきりしたタイヤを履いていたのだが、不快な振動などもまるで気にならなかった。
なにげに効いているのがオリジナルのアルミ製シフトノブ。やや大きめだが、シフトの感覚をやさしくいなしてくれて運転が楽しくなった。
うーん、社長のおっしゃることがわかった気がする。アピオのジムニーに乗ると「クルマを運転してる」って気になる。同じ道を走っているのに、気分が高まるのだ。
お店には、ベントレーやポルシェで乗り付けてマニュアルのジムニーを買っていくお客さんも多いというが無理もない。みんな、移動の気持ちよさに気づいてしまうのだ。アピオおそるべしだ!
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