旧型車人気で再び脚光を浴びる可能性もある
では、なぜお手軽であるはずのアーシングが、クルマ好きの間で語られることが、少なくなったのだろうか。その背景には、昨今の車載される電子機器の増加と性能向上、そしてハイブリッドカーなどの電動車増加が考えられる。
環境性能や安全性能などの向上のために増加する精密機器を安定して動かすために、電気配線も相応の対策が施されているとみるのが順当だろう。
さらにハイブリッドカーなどの高電圧が流れるクルマは、そもそも素人が電気配線に触れることも危険が伴う。車種による差はあるだろうが、最新型車にアーシングの行う余地はなくなりつつあるのだ。
では、アーシングは、このまま失われてしまうのかといえば、それは早合点といえそうだ。旧型車においては、一般的に効果が高いとされるからである。
これは自動車の経年劣化が電気配線にも等しく生じるから。ボディや電気配線に生じた腐食は、電気抵抗に繋がる。それらの箇所を全て修理できればよいが、それはあまりにも現実的ではない。そこをアーシングで補完してあげればいいというわけだ。
昨今の旧型車人気もあり、機能改善の手段のひとつとして、アーシングが再び脚光を浴びる日もあるかもしれない。
ただアーシングの作業には、接続ミスなどのよるショートなどの危険も伴う。電気抵抗が少ない配線を使うため、誤って大電流が流れてしまうリスクもあるのだ。取り付け時には、十分な配慮を心掛けたい。
コメント
コメントの使い方