■海外チームに部品を聞いてみるも
メカの親分を務める喜多見さんが言うには「部品があればあのふたり(横島さん&米山さん)なら10分で交換できるよ」。
「部品があれば」なのだが、お察しのとおりプライベーターはそんなにスペアパーツを持っていない。市販車の部品はR5規定もあるので使えないし(そもそも作りが違う)、ルノーディーラーにも売っていない。そもそも片側25万円と高価で、製品として保証されているマイレージの1/3も走っていないからという思いもあった。
ちょうど斜向かいが同じクリオのR3(4WD車両)を使っていたので聞いてみたが「R3とR5だとまた設計が違ってね……」とのこと。海外メカニックが言うには「これはよく壊れるよ。強化品が出てるくらいだから」とのこと。極東の島国ではこの手の情報が入っておらず、これはチームとしても情報不足だった。
14時53分。コ・ドライバーの木原選手が「リタイア届」にサインをする。なんとも悲しいミッションだ。神妙な空気が流れ、正式に今年のラリージャパンが終わってしまった。国沢さんと監督の塩川で相談する。
「明日は土曜日だしさ、なんかやる? それとも撤収でもいい。監督に任せるよ」。
「せっかく来たのでね。すごいお金払ってますし(笑)。折れたドラシャを展示して見てもらって、SNSで投稿してもらうってのもいいんじゃないですか?」
「それだ!! そうしよう!!」
■まさかのお客さん来場に沸くチーム
そんな軽いノリで前代未聞の毛筆作品「破断」(監督直筆)と折れたドラシャを展示する試みがスタート。妙な悪ふざけが評判を呼び、そこそこの集客を達成。
なぜ皆さんそんなに興味津々で見てくださえるのか。ラリー1の車両は見なくていいの? 要らぬ心配をしてしまったほどだが、やっぱりラリーの現場はクラスも国籍も車種も関係ないんだなぁって。
キッズ対象にシートに乗り込む体験もしてもらったり、クルマ好きのリレーをつなぐ活動にも勤しんだ。興奮しまくりのキッズたちの姿は元気がもらます。
そんなこんなでサービスパークでの展示活動で幕を閉じてしまったラリージャパン。今回は色々な試みをしました。日産アリアでサービスを電化したり、電力を取り出すパワームーバーをホンダ製のものにしたり、しかもそれをトヨタの方が持ってきたりと。
たくさんいい思い出も残りましたし、少なからず爪痕を残せたかなと監督としても思っております。来年はどうしようか……このまま終わるわけにはいかないと思うんだけど、どうしようか……。スポンサーさん募集します!!! またラリージャパンで会いましょう!!!
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