12月13日、フィンランド・ヘルシンキにて、ついにトヨタのWRC復帰元年の体制が完全判明。
公開されたマシンは、9月に正式公開されたヤリスWRCからさらに変貌を遂げていた。そして、気になるドライバーには超大物の抜擢も決定!!
文:WEBベストカー編集部
公開されたヤリスWRCはパリモーターショー時から大変貌!!
トヨタWRCのチーム総代表でもある豊田章男社長は、13日の参戦体制発表に際し、その喜びを表現し、次のようにコメントした。
「17年間、この日を待っていてくださったファンの方々に『皆様の気持ちがあったからこそ、トヨタはこの日を迎えることができました。ありがとう。』と感謝の気持ちでいっぱいです」
そして、このコメントとともに公開されたマシンは、9月にパリモーターショーで公開されたものと、見た目にも違いがわかる進化を遂げていた。
下の写真は、今回公開された最新のヤリスWRCと9月に公開されたマシンだ。最も違いがわかりやすいのはフロント。
市販車のヤリス、即ちヴィッツはマイナーチェンジで「キーンルック」と呼ばれる新しいフロントフェイスが与えられたが、最新のヤリスWRCもそれに沿ったデザインで、9月時点のマシンと比べると、ラジエーター開口部の形状も変化している。
さらに、リア周りの形状もまるで違う。
二重構造の大型リアウイングは、9月時点のものとまったく異なる形状に進化したほか、ボディサイドの処理も若干変えている。空力的な効果を狙っての変更だと想像できるが、見た目にも洗練されて、他のライバルメーカーのWRカーに近くなった印象だ。
上が最新のヤリスWRC、下は9月公開のマシン。細かい部分ではサイドのドアミラー取り付け位置が若干前身、また、サイドスカートの形状も異なっている
公開ドライバーは通算16勝の元VWラトバラを起用!! 翌日にはマシンを走らせた
そして、なんと言っても一番のトピックはドライバーの人選。2016年シーズンのチャンピオンチームであるフォルクスワーゲン(VW)のヤリ=マティ・ラトバラのトヨタ移籍が発表されたのだ。
ここまで、トヨタは開発ドライバーを務めたフィンランド人のユホ・ハンニネンの起用だけを発表していた。
そこで、残り1人は誰を起用するのかが目下の関心事になっていた。ラトバラはこれまでWRC通算16勝をマークしているトップドライバー。
VWの撤退で、チャンピオンのセバスチャン・オジェとラトバラ、そしてアンドレアス・ミケルセンという一流ドライバーの契約が宙に浮くという、他チームにとっては願ってもない展開となっていた。
そうした状況も手伝ってラトバラ加入は実現した。これはトヨタにとって最高の“クリスマスプレゼント”。F1以上にドライバーの技量が結果に直結するといわれるWRCにおいてトップドライバーの獲得は非常に大きい。
ちなみにヤリスWRCのテストも行っていた2016年チャンピオンのオジェはMスポーツ(フォード)入りすることが発表された。
そして、この体制発表の翌日、トップ画像のようにラトバラは早くもヤリスWRCを走らせている。
トヨタWRCの初陣は約1カ月後、伝統のモンテカルロだ。
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