6月7~8日に群馬県安中市を中心に開催された全日本ラリー・モントレー2025にワイドボディの「デカコペン」が登場。残念ながら電気系のトラブルで走ることはできなかったが、新型エンジンを搭載したという。その狙いに迫ってみた!!
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ワークスエンジンまで開発中とか胸熱すぎぃ!! ダイハツの本気を見よ!!(4枚)画像ギャラリー11月のラリージャパンに向けスーパーコペン始動!
WRCラリージャパンに3年連続出場しているコペンGRスポーツ。昨年は770ccにボアアップし、40mmワイドなボディになって挑戦したが、サスペンショントラブルでデイリタイア。再スタートしたものの、クラス2位と悔しい結果になってしまった。
今年は逞しくなったコペンGRスポーツで、世界のコペンファンにアピールしたい! そして再びクラス優勝を! の思いでクルマを作ってきた。一見同じに見えるが、ラジエターが小型化され、インタークーラーもラジエター横に配置し、見るからにスポーツムードが漂う雰囲気となった。
サスペンション回りも強化され旧碓氷峠ほかアップダウンのあるSSでどんな結果が出るのか、ドライバーを務める相原泰祐選手も「いろいろやりましたから楽しみしかありません」とコメント。
今回初めてデカコペンに乗るコ・ドラの上原あずみ選手も「これまでのコペンよりもアベレージスピードが速いと思いますので集中していきます」と話してくれた。
ところが、ぶっつけとなったシェイクダウンでエンジンがかからない。セルが回り、燃料も噴射しているけれど、どうしてもかかってくれない。
エンジニアによれば、「これまでいろいろトライしてきたぶんハーネス類など電気系のほうでトラブルが出てしまったようです。詳しい原因はばらしてみないとわかりません」と落胆した表情を見せる。
それでもチーム全員でクルマを押し、セレモニアルスタートへ。惰性で止まったところでコペンGRスポーツのモントレーは終わった。
気になるエンジンはトールの1Lターボをチューニング!? ダイハツ本社も動いた!!
気になるエンジンについて聞いてみると、ラリージャパンはわからないと断ったうえで、今回はトールの1Lターボをチューニングして搭載していたよう。レギュレーションに合わせて、排気量は小さくなる可能性もあるという。
昨年は770ccのターボエンジンだったが、より速さと信頼性、マッチングのよさを求めて1Lターボを選択したという。「車重は若干重くなっているが、パワーやトルクは770㏄以上あるはず」とチーム関係者は教えてくれた。
770ccターボは最高出力140ps、最大トルク19.0kgmほどだったから、想像するだけで楽しくなってくる。ただ、シェイクダウンができなかったことで、最高出力も最大トルクも実際の数値は計測できていないそう(笑)。
そして何よりこれまでラリー活動はDGR(ダイハツ・ガズー・レーシング)とD-SPORTの商品を企画、開発するSPKが一緒になってD-SPORTレーシングチームを作り、ラリー車の開発を行ってきた。
しかし、今回のエンジンはダイハツ本体、つまり、くるま開発本部がエンジンの開発を行っている。従来はエンジニアリングを外注していたが、今回はダイハツ本体でやるという。つまり、ダイハツワークスエンジンだ! コペンやミライースで行ってきたラリー活動が認められ、ダイハツ本体を動かしたとも言える。
あるエンジニアは「燃費のよさを求められるばかりで、パワーを上げるほうの知見は多くないのが実情で、これからたくさん学んでいきたい」と目を輝かせた。そして、「エンジンをやるとなったらみんな大騒ぎでした」とも明かしてくれた。
WRCラリージャパンに、ダイハツワークスとしてコペンGRスポーツが出場すれば、それこそビッグニュースだ!
最後にダイハツのエンジニアの皆さん、国沢ミライースのもとにも、どんどん来ていただき、楽しいクルマづくりの意見交換させてください! ベストカーからのお願いです。
コメント
コメントの使い方エンジニアはもっと入念なテスト走行をしたかったのでは
せっかくのワクワクする新エンジンも、実戦でテストできなければ意味ない。私もいろいろ見てきましたが、ぶっつけ本番にするとこうなります。
だから本番前に絶対に間に合わせてテストする必要があるんです。そのテストを最終期限にせず、甘えを向上心と履き違え本番まで伸ばすとこうなります。
やってみてリタイアはいいですが、本番なのだからそこで走れもしないというのは絶対避けなきゃいけないこと