灼熱の鈴鹿で迎えたスーパーGT第5戦。午前8時から気温は30℃オーバー。波乱が起きそうな雰囲気ムンムンな鈴鹿だが、ベストカーが応援するKONDOレーシング56号車はいかに戦ったのか? 最近ちょっと多い「後ろから爆上げ」展開はなぜ起きる?
文:ベストカーWeb編集部/写真:SPJ-JS、編集部
【画像ギャラリー】ニスモ優勝で劇的展開!! 鈴鹿はやっぱり波乱があるぞ(8枚)画像ギャラリー最強GT-Rの歯車は徐々にずれてしまったのか?
スーパーGT GT300で戦う56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」。スーパーGTに詳しい人ならとてつもなく強いイメージを持っている人も多いかもしれない。
実際にシリーズチャンピオンも獲得したこともあり、その実力に異を唱える人はほぼいないだろう。しかし今シーズンは開幕戦3位が最高位で、その後は7-10-11-10位と入賞権内を彷徨っている状況。
ウエイトハンディが効いていることを考えれば上出来とも言えるのだが、それでも例年の56号車ならどこかでパンチ力のある結果が伴いそうだが……。
迎えた鈴鹿ラウンドだが予選はまさかのQ1敗退。最終的に20位スタートという予選結果になった。こうなってもジリジリと結果を上げていくのが56号車なのは分かっているのだが、今は辛抱して粘りどきなのだろう。
「もちろん予選上位からドーンと行きたいよね。だけど給油リストリクターもあるから給油に時間がかかってしまう。だから予選上位でピットインした時の給油時間のロスも考えたレースをしないとならない。だから予選はよかったけどピットインで順位がダーっと下がるレース展開もあり得るよね」とチーム関係者は語る。
怪我の巧妙と言うべきかはわからないが、下位スタートならではの優位性もあるのだと感じる。
超ショート給油で10台抜きの凄ワザ
決勝がスタートすると5周目でクラッシュによりセーフティカーが導入される。8周目に18位前後を走行していた56号車はなんとセーフティカー中にピットインする作戦に踏み切る。
ライバル勢も同様の作戦をとるチームもあったものの、この狙いは前述の給油時間の短縮だ。ルーティンの給油時の給油時間をいかに少なくするか、そのためにはレース展開に余裕があるうちに給油してしまおうという狙いだ。
気になる灼熱の路温だがこれはチームとしては想定内だったようで、逆に夕方になり西陽がさす時間帯に路温が下がってくるのは想定以上に早かったという。
「もしかすると戦略として観客の皆さんから見たら”すごくいい戦略”には見えないかもしれないね。でも、今回は非常にまとまっていたし、予選20位から10位。ノークラッシュ、ノーペナルティだから。よくはないけどベストリザルト」とのコメントもあった。
少し派手な展開がないとややもすると「なんかなぁ」と思ってしまうものだが、辛抱する時期にいかにコツコツと結果を保っていくべきか。そこに見えてくるのが56号車の戦いぶりだろう。
日産メカニックチャレンジでチームをサポートする日産販売会社のメカニック、そして日産自動車大学校の学生たちにとってこの「見えない努力」とも言うべきか、それはどう映ったのだろうか。こんなに生きた教材は他所にないよなぁ……と少し羨ましく思ってしまった。












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