新井大輝選手の欧州武者修行エピソード6! テスト&レッキも無事終えて今回はいよいよ本番初日! しかし、そこはやはり 「世界一難しいターマック」。一筋縄ではいかなかった!? 逆境に燃える男新井大輝にスイッチが入る!
文/写真:新井大輝
【画像ギャラリー】最新のラリー2相手にベストを尽くす新井選手の漢気!! ベストカーロゴも一緒にチェコを走ったぞ!!(8枚)画像ギャラリーさぁいよいよ本番…… その心境は!?
シェイクダウンが始まりいよいよ周りがピリつきはじめました。今回はチェコ国内選手権側での登録になるので後続ゼッケンでスタートになります。ヨーロッパ選手権クラスへ登録するにはタイヤメーカー側が使用するタイヤを選手権に登録をする必要があり、その関係でチェコ枠での出走となりました。
久しぶりのヨーロッパ参戦。想像以上に自分が冷静なことに少し驚きながらも、おじさんになるのはこういうメンタルなんだなぁと感心しながらシェイクダウンへ。120台以上も参加者がいると流石に待ち時間も長かったです。タイヤをウォーミングアップしてもスタートまでには冷え切っていました。笑
しかもようやく順番が回ってきたと思ったら1分前を走行するシトロエンC2 S1600がコースオフし、念のためステージ上でストップし観客と共に安否確認をすることに。早速世界一難しいラリーの恐ろしさを垣間見た気がします。クルーは2人とも無傷で安心しました。
シェイクダウンも無事に終わり、タイムもR5カテゴリーではまずまずの滑り出しで満足していましたが、実際のステージになればこうは行かない筈だというのは常に脳の片隅に置いてありました。
突きつけられる性能差の壁……!
そして最新のラリー2との恐怖の性能差が現れたSS1のステージ。
このラリー1番の名所と言っても過言ではない街中を完全閉鎖して行うステージは、ドライコンディションでストップアンドゴーのパワー勝負のステージです。
フィーリングも悪くなく、フィニッシュラインでタイムをみてびっくり! 1km当たり3秒負けるという今までにないぐらい離されてしまいました。ヨーロッパ選手権の場合はレーシングガソリンが許されていることもあり、もはや異次元のレベルで置いて行かれてしまいマリアナ海溝より深く気分が落ち込んでしまいました。
レーシングガソリンも多種多様なメーカーが参入しているので、1番パワーの出るガソリンを知っているワークス系のチームがずば抜けて速い印象がありました。
だが、それがどうした! 逆境ほどおもしろい!
WRCだと同じサプライヤーのタイヤと燃料で勝負できますが、ERCはサプライヤーの自由度が高いので、数ある中でどのサプライヤーを使用するのかでも大きな差に直結します。
事前にありとあらゆる情報を聞き出しておくのも戦略のうちということが分かり、余計闘志に火がついてしまいました。逆境になればなるほど挑戦したいと思うので生粋のM気質なのかもしれません。
今回のラリーは何がなんでも完走し、来年へ繋げて3年後には優勝争いをするという計画なので、まずは無事に帰ってくることが絶対条件になります。
カロリーを大量消費!?
しかし、これだけ注意して抑えていてもSS3で早速コースオフ。幸いドアのダメージだけで済みましたが、あと一歩間違えればリタイヤしていました。路面グリップが500mごとに変化するので、今までの常識が何一つ通用しません。
しかもLeg1のステージは5kmほどグラベルセクションがあり、舗装タイヤでグラベルを走行しないといけないというのも初めての体験で、パンクしないかドキドキしながらの走行になりました。案の定、他のクルーのほとんどは最低でも1本、中には3本同時にパンクしてリタイヤしていたりとサバイバル要素も強いステージも織り交ぜられていました。
コースオフして120台中40番まで落ちましたが、初日はその後挽回し16位まで戻し1日目を終えましたが、本当に最後の最後まで気が抜けない危険なラリーだなと思いました。
気温が高いのもありましたが、1日で2kg体重落ちたのは初めてでずっと気を張っていたんだなとホテルに帰ってきてから気づくことができました。












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