新井大輝選手の欧州武者修行エピソード9! 今回なんといよいよ最終話! 朝5時まで続いた修理と怒涛の復帰。だけど試練はこれだけじゃ終わらない!? それでも走り続ける一行は笑顔とともにラリーを楽しむ……! 欧州武者修行記が教えてくれるのは、まさにラリーそれ自体のおもしろさだ!
文/写真:新井大輝
【画像ギャラリー】壊れるけど鬼速い旧ソ連圏の名車が駆け巡る! ラリー自体のおもしろさを思い出させてくれるエストニア国内選手権!(8枚)画像ギャラリーやっぱり朝までかかる修理!
Paide Rally最終日。コドラ(兼メカニック)のレイオがひとり朝5時まで頑張ってくれたお陰もあり、若干焦げたエンジンの修復を終えてスーパーラリー規定で復活しました。
彼は今回のラリーではコドラ業務1割、メカニック業務9割でコドラの業務より車を修理している時間の方が圧倒的に長いです。かわいそうに……笑
朝会ったら「自分の人生が嫌になってきた」と半泣きになっていましたが、優しく励まして気を取り直して最終日をスタート。
チーム運営を1人で全部やろうとすると最終的にパンクする典型例です。(かくいう私も嫌というほど経験しました)心配だから自分1人で何とかしようとしてしまうのですよね……。しかし彼が頑張っている間、私は宿に戻ってしっかり休んでいました(助けてやれよ)。
私は今は無理しないタイプです。笑
んんん!? もしかしてなんか遅い!?
いつもなら前日にペースノートチェック(最低でも2回)を宿に戻ったらコドラと一緒に確認するのですが、今回は事情が事情なのでぶっつけ本番で行くことにしました。「まぁ、なるようになるっしょ!」の精神です。最終局面になるとこの楽観的な考え方は役に立ちます。
紆余曲折を経ながらも満を持してスタート。朝の1本目は大きなトラブルなく終わったもののクラス最下位。しかもキロ2秒おいていかれるボロ負けぶり。
あれ? 乗っていてそんなに変な感じはなかったのに何だろう? と思い2本目がスタートする前にエンジンフードを開けてびっくり、ペダルのスロットルワイヤーが開かずに20%ぐらいの開度でスタックしていました。確かに言われてみれば遅いかも? と思いました。
と言ってもLADAでそんなに距離を乗っているわけではなかったのでこれが遅いのか速いのか判断出来ませんでした。経験不足というやつですね。
ロードセクションで修理をしていたら14分近くタイムロスして失格になるギリギリで次のSSのタイムコントロールへ滑り込みセーフ。スロットルが開かなかった原因は火災で溶けたプラスチックがワイヤーの中で詰まってしまい動かなくなっていたのが原因でした。
直ったらバカッ速いじゃないか!! さすがソビエトの科学力!
そして修理した2本目のSSでは鬼のように加速するLADA。あぁこれが本来の性能かと感動し、楽しく運転していたら突然エンジンの音が変化しパワーダウン(ラッシュアジャスターが飛びました)。
おいおい。これもしかして1本もまともに走れないんじゃないか? と思い、またもやレッカーでサービスパークに戻される羽目に。マリオカートで例えたらレインボーロードで10秒ごとにコースオフしているぐらい悲惨な状況です。笑
「あ〜何も良いところ無く今回のラリーはリタイヤか」と完全に諦めていましたが、どうやらエストニア選手権では次のサービスで出走意思を伝えればその日のうちにラリーへ復帰できるというのです! 他の国の選手権では完全にリタイヤ扱いになるのに復帰できるのは素晴らしいシステムですね。











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