2025年シーズン全日本ラリー選手権第6戦「ラリー北海道」で見事優勝を果たした新井大輝選手からさっそくレポが届いたぞ！ ついこの前までエストニアいたのに……と読む方もびっくりなスケジュールですが、どうやらその欧州武者修行も今回の結果に活きていた!?
文／写真：新井大輝
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まさかの体調ダウン やはり日本の夏は魔物
お待たせしました！ 毎日ラリー北海道の結果を更新できずに申し訳ございません。
今回は土曜日に熱中症と脱水症状になり、身体中の塩分とミネラルが抜けて土曜日は、午後のSS6以降は偏頭痛と戦っていたので、LEG1終えてすぐに宿で療養していました。朦朧とするし、頭痛いし、手足は痺れるし、結構ギリギリでした。笑
先週エストニアから帰ってきたばかりで身体の体温調整が上手くいかなかったのも原因かもしれません。因みに、北海道は30℃超えで台風の影響から湿度も高く、数日前にいたエストニアが最低気温6℃とかなので、冬の気候から夏の気候だったこともあり、余計に身体がバグってしまいました。
競技中は水の補給はしていたのですが、スポーツドリンクや塩分補給を疎かにしたのが良くなかったです。ラリー北海道はリモートサービスというシステムを採用していて、サービス時間が通常の全日本より短いので、ご飯を食べて、同時にマシンの確認をして、となると全然時間に余裕がありませんでした。サービスで用意してもらったご飯も食べる暇がないぐらいギリギリの時間です。
修行の成果をいざ見せん!!
とは言え、前回のカムイでチームとして超悔しい経験があったので、私個人としても今回は必ず結果に繋げたいという想いがありました。体調不良もメカトラブルも言い訳にしたくなかったので、気力が体力を上回っていたのだと思います。
2ヶ月弱の矢作産業メカニックの特訓成果と私の欧州武者修行の成果をリンクさせる必要がありました。
土曜日のSS1とSS2は、勝田さん奴田原さんと1進1退のバトル。9km走ってもコンマ差の争いで、全然差がつきません。毎年同じステージなので、もう皆コースを覚えている影響もあって差がつかないのは一目瞭然でした。
ただし、その中でも唯一使っていないステージが1本だけありました。こうなってくると勝負どころが必然的にSS3/7のヤムワッカリバースになります。そこで仕掛けることにしました。
欧州での経験もバッチリ結果に！
幸い作戦が功を奏し、一気に15秒近くリードを拡大することができ10秒以上あれば2日目は安全圏ということは分かっていたので、そのままペースコントロールで最終日は35秒差にまでリードを拡大し優勝することが出来たのは結果オーライですが、思い返してみるとヤムワッカではリタイヤ車両が通常よりも続出する難しいレイアウトだったのだと思います。
皆様なら既にご存知かと思いますが、私のシュコダ丸は世界最古の運用されているR5なので全開で走りすぎると壊れる危険性を常にはらんでいるのでそこも留意しないといけません。
案の定、大荒れとなったこのSS3/7のステージではクラッシュ車両が続出して選手権リーダーの勝田さんなど多くのトップドライバーがリタイヤを喫していましたし、私も一歩間違えればリタイヤに繋がっていたのかもしれません。
欧州修行の時にラリー2の性能差をしっかりと感じたからこそ、シュコダR5でも次に自分がどういう戦略で勝負しなければいけないのかというのが、理解できるようになって、チームとしてもドライバーとしてもしっかり成長を実感できたラリーになりました。
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