作業人員は昔の約2倍、技術も進化
現在は1つのコーナー、つまり1本のタイヤ交換はガンマン、取り外し要員、取り付け要員の3人掛かりでおこなうのが普通。これで4本計12人がタイヤ交換をしていることになる。
これに加えて前後のジャッキマン、控えのスターター、サブジャッキ、サイドジャッキ、クリーナー、スタビライザー(ジャッキアップした車体が作業中に揺れないように抑える役)、ピットインコンダクター(ストップ&ゴーのシグナルを管理して危険時に発進を止める係)……などピットイン要員は最低でも16人、多いチームでは20人を超える。
トップチームのひとつ、レッドブルのピット作業。この写真から1タイヤにつき3名、計20名程度のクルーがピット作業をおこなっているようすがよくわかる
また、前後のジャッキと4本のガン、そして、マシンの停止位置はすべてレーザーセンサーなどと連携していて、コンダクターはゴーサインのグリーンライトを点灯させるのではなく、自動点灯のグリーンライトを危険時にキャンセルするスイッチを握って安全を確認しているのだ。
左は現在マシンの発進合図として使われているシグナル。かつては右のように“ロリ—ポップ”と呼ばれる指示標識がマシン発進の合図に使われていた。センサー感知で自動で変わるシグナルが導入されたことで、タイムロスは減っている
レース毎に数十回の訓練が行われ、各人のコラボレーションとスピードアップが維持されていて、今では「サブ・3セコンド」=3秒以下のピットストップが常識になってしまった。
現在ではすでに2秒を切り、1秒台のタイヤ交換が記録されているほど。
最終的にはピットストップ要員達、人間のおこなう、まさに“F1人間”達の離れ技というわけだ。
ピットストップの高速化は、人と技術のたゆまぬ進化で実現しているのだ
今後のF1の日程は下記のとおり。現代F1は、ピット作業も史上最速なのだ。
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