■第三期活動から引きずったF1復帰後の躓きと新たな一歩
しかしホンダという企業自体が巨大に膨張した第三期、残念ながら第二期までの力強いホンダ兵法は姿を消していた。
第三期は新たなホンダ、何もかも最初から始めて全てを学ぶ……と言ってスタートしたのだが、欧米を学ぶ対象にするのは良いが、第二期に培った総合戦略の兵法さえ無視したことが第三期を哀しい結果に終わらせる事になったはずだ。
その第三期は現在のF1復帰にも引きずっていた。マクラーレンとの3年はまだ第三期のままであったと言って良いだろう。
技術と戦略、兵法と組織の組立、パートナーの懐柔など、やらなくてはならない戦略を何もせずに終わってしまった。だが、このマクラーレンとの終焉こそが、第三期の終焉となり、レッドブル・グループとのコラボがついに第四期ホンダF1の発進だったようだ。
■花開きつつあるレッドブル・ホンダとホンダF1の今後
現在ホンダは真摯にF1に取り組み、パートナーとのコラボも実に上手く進めている。だからこそ昨年の優勝、そして今シーズンも70周年の節目であるシルバーストーンでの見事な優勝を果たした。
メルセデスとフェラーリとFIA(=国際自動車連盟、F1の主催組織)を巻き込んでの政治的駆け引きを尻目に、独自の戦略と今までになく地道なホンダとレッドブルの努力が実を結だと結果だと言ってよいだろう。
今シーズンコロナ禍の元、レッドブル・ホンダはシーズン開幕数戦の戦略を反故にされてしまった。もちろん、他チームも同様なのだが、昨年からアドバンテージを継続しているメルセデスの初期戦略には敵わなかった。
しかし、ここへ来てメルセデスの弱点が露見し、条件次第ではレッドブル・ホンダが有利に展開できる場面も結構ありそうに思える。
もちろん、メルセデスの開発力は凄まじく、その弱点の克服はしてくるだろうが、5戦を経た今、これからのシーズンに向けてレッドブル・ホンダに光明が射してきた。
ホンダは勝たねばいけない、ホンダF1プロジェクトは、ホンダという企業のそれではなくもはや日本の魂なのだから。
70周年F1、節目のシルバーストーンでの勝利は、F1史にレッドブル・ホンダの名を深く刻みつけた。
団塊の世代を奮い立たせ、バブルの若者たちを鼓舞させて、今これから世界へと飛翔するヤング達の指針になろうとしているホンダ。
成績だけでなく、F1史にその名を轟かす秀英なホンダを、今までも、そしてこれからも期待し続けている。
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