■やってきましたカリフォルニア、「ラグナ・セカ」!!
ラグナ・セカ・レースウェイがあるカリフォルニア州・モントレーは、サンフランシスコから南へ100マイル少々走った港町。
アシカの鳴き声が響くフィッシャーマンズワーフではラッコが泳ぐ姿も観ることが出来るなど、街中がテーマパークの様な雰囲気。
すぐ近くには全米オープンが開催されたことでも有名なペブルビーチ・ゴルフリンクス。そして西海岸で最も美しいといわれる海岸線を走る17マイルドライブ。
海沿いにはセレブ達の別荘?が立ち並ぶ。サーキットは、その海岸線から10マイル程内陸に走った山の中にある。
1957年創業。2001年からはマツダ・ラグナ・セカ・レースウェイ。数々のビッグレースが開催されてきたコースは全長3.6km、11のコーナーで構成されている。
実はこのコース、17年程前にグランツーリスモのコース取材で訪れたことがある。その時の記憶に焼き付いているのがコークスクリュー。最大16%勾配で一気に18m落ちていく、雪が降ったら間違いなくゲレンデとして使えそうな急勾配。
このコースの名物コーナーなのだが、若干慣れが必要という程度。それ以外のコーナーは単純でさほど難しいものではなかったという記憶。とは言いながら1時間のシミュレータートレーニングも行い、万全な気分で現地入りした。
勝負の相手は、アメリカのシリーズでランキング上位に入ったドライバーだけだと思ったが、それ以外のドライバーも立派な経歴の持ち主ばかり。
その筆頭がKyle Kaiser。プロ・マツダ・チャンピオンシップ出身のドライバーで、来年のインディ500への参戦が決まっている今年のインディ・ライツのチャンピオン!
ヨーロッパ的に言えば、F1GPのシートが決まっているドライバーということになる。参戦の目的を問うと、「7万5000ドルを戴きに来たのさ」とキッパリ。
経歴的には若干負けているような気もするが、勝負はフォーミュラではなくノーマルに近いMX5のレースカー。日本で走らせたマシンとまったく同一スペックとなれば、勝負出来ないはずがない。
■自分を信じてセッティングを進めるしかない!
予選までに用意された練習走行は、4セッション。セッション1は40分間でそれ以外は30分。
通常のレースは日本でもそんなものだが、3週間前に開催された最終戦をこのコースで走っているライバル達に対し、アウェー組にとっては辛いスケジュール。
マシンを提供してくれたワインディングロードレーシングのマシンセッティングは筆者が仕上げた日本仕様に較べ、ダンパーに減衰力は極端に高く、車高バランスは前下がりという真逆のセッティング。
最初から日本で走らせたセッティングデータを使おうかとも考えたが、まずは合意入れば郷に従えと、現地セッティングのままコースインした。
久しぶりに走ったコースの印象は、ヤバい! コークスクリューに上っていく途中にあるターン6とコークスクリューを抜けた後に長く続く下り左コーナーのターン9が特に難しいというイメージまでは間違っていなかったが、あとは単純という自分の記憶を恨んだ。
山を登り始めるターン5、そしてコークスクリューを下りきったターン10はコーナーが深いすり鉢状になっていて、そのバンクを活かせばありえないほどのスピードでクリアすることが出来る。
もしアウト側が高い壁になっているバンクであれば何の問題もないのだが、コーナー内側が掘れているタイプ。
コーナーアプローチですり鉢に落ちていくので、少しでもブレーキが遅れると急激なオーバーステアが発生しコントロールを失ってしまう。
しかも、ダンパーは硬く締め上げられているから路面変化に影響されまくる。危なくてコース攻略も出来ない状態。
コース攻略が間違っていればセッティングは理解出来ない。コースの攻め方が理解出来ればこのセッティングが理解出来るのかとも考えたが、3週間前のチームの予選リザルトをチェックすると、14位と18位。
これはチームを選んだマツダへ文句ではなく、短時間で1からセットアップをする必要に迫られたドライバーの泣き言である。
こうなったら、自分の感覚を信じてセッティングを進めるしかない。一度は日本に近い仕様も試したが、荷重変化が極端なこのコースではストローク不足。まるっきり合わなかった。
あっという間に練習走行は終わり、予選。4回の練習走行のデータを基に仕上げた仕様で予選に臨んだ。日本では計測1Lap目からベストタイムを狙えるのだが、このコースでは3Lap必要。それだけグリップが低い。
じっくり攻め込み、マークしたベストタイムは1分41秒114。されど13番手。順位的にはたいしたものではないが、日本チャンプの山野選手に0.7093秒勝った! あと1秒上げればトップ争いに加われるポジションだ。
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