元ベストカー編集部員にしてプロフェッショナルドライバーの大井貴之氏が、マツダグローバルMX-5カップに「ベストカーチーム」として参戦、見事アメリカの超名門サーキット、ラグナ・セカで開催される世界一決定戦に参戦できることが決まりました。
当記事ではその参戦記です。レースは何が起こるかわからない。参戦するからには世界一獲ったるで! と、意気揚々と乗り込んだはずのベストカーチーム、しかし本記事タイトルですでに不穏な空気が……。
文:大井貴之 写真:加藤雅也、MAZDA
■究極のワンメイクレースにチャンピオンと共に参戦!
今年から始まったGlobal MX5 Cup。このレースは一見普通に行われているワンメイクレースなのだが、シートとステアリング、シートベルト以外はすべて指定パーツを使用。
それどころかドライバー重量を100kgとし、それに満たない分はウエイトを積むため、体格によるハンディも無い。ポルシェカップ以上のイコールコンディションで行われる究極のワンメイクレースだ。
発祥は2006年。MX5 CUPとしてNC型ロードスターがデビューした時から行われている全米各地を転戦するシリーズ。
今年のシリーズもハーバー・モータースポーツ・パーク(アラバマ州)、インディアナポリス・グランプリ・サーキット(インディアナ州)、ロードアメリカ(ウィスコンシン州)、ストリート・オブ・トロント(カナダ・オンタリオ州)、ワトキンズ・グレン・インターナショナル(ニューヨーク州)、ラグナ・セカ・レースウェイ(カリフォルニア州)と東側を中心に各2戦ずつ開催されている。
その移動距離は実に4600マイル。7000キロを越える長距離を転戦するレースなのだ。
このシリーズ戦に今年から加えられたのが、世界一決定戦。最終戦が開催されたラグナ・セカ・レースウェイを舞台とする一発勝負には、7万5000ドルの賞金が用意されている。
1ドル110円換算で825万円。これは賞金総額ではなく、優勝者に贈られる賞金なのだ。
このレースに、日本代表として山野哲也選手と共に参戦するチャンスを得た。GT300では3年連続シリーズチャンピオン、ジムカーナでは通算17回のシリーズチャンピオン獲得という偉業を達成している山野哲也選手は、国内シリーズの初代チャンピオンとしての参戦。
筆者はベストカー誌のドライバーとしてグローバルクラスに参戦し、予選ではポールポジションを獲得しながらも、計算ミスによる3kgの重量不足でノータイム。最後尾スタートにも拘わらず、レース後半では優勝した山野選手を追い詰め、0.1秒差の2位フィニッシュ!
メディア枠で参戦した選手の中で最高位フィニッシュをしたドライバーとしての参戦。今回の世界戦は、アメリカンドライバーとの勝負だけではなく、山野選手と決着を付けるレースでもあるのだ。
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