SUPER GTの2018シーズンがやってくる GT500の3社ファンが期待すべきこと!!

■日産はテコ入れが必要か!? 絶対的強さを取り戻せ

 トヨタ同様、まだ体制発表を行っていない日産。昨年のタイトル争いでは、松田次生/ロニー・クインタレッリがギリギリまで平川とキャシディに迫った。

 シーズン序盤、大不調だった日産勢の中で唯一連戦ポイント獲得を続けることができたのは、NISMOとしての総合力も大きいが、2014、2015年連続で松田とクインタレッリが2人揃ってタイトルを手にしている経験値が大きいはず。

23号車は最終戦でキッチリ勝ったもののシーズンは落とした
23号車は最終戦でキッチリ勝ったもののシーズンは落とした

 ウェイトハンディを採るSUPER GTならではの戦い方を熟知し、その都度ベストなレースを心がけた。

 綿密に練られた戦略、それを着実に実行するドライバーのスキルの高さ…。すべてが噛み合う状況をコース上で作り上げることで、ベテランらしいしたたかさを見せつけられた。

46号車に乗る千代勝正は次代のエースになるのか!? ミシュランでの経験を積んでいずれは23号車か
46号車に乗る千代勝正は次代のエースになるのか!? ミシュランでの経験を積んでいずれは23号車か

 いっぽう、クルマの熟成という部分ではライバルに遅れを取った感は正直否めない。今シーズンのスタートラインに向け、相当なテコ入れは始まっているだろうが、加えて日産もドライバーラインナップ変更の予定アリと言われている。

 NISMOのコンビは継続だろうが、若手ドライバーのチーム移籍やステップアップによるリフレッシュ効果!? による躍進を狙っているようだ。

■バトン参戦でホンダ陣営はまとまるか!? 今年は躍進のNSXに期待

 早くも今シーズンの体制を明らかにしたのが、ホンダ。その目玉となるのは、何と言ってもジェンソン・バトンのフル参戦に他ならない。

 昨シーズン、鈴鹿1000kmにスポット参戦した際には非凡な才能を遺憾なく発揮、ハンパない熱烈ファンが押しかけたパドックのテンションは最後まで冷めることがなかった。

 いきなりのSUPER GT車両(もちろんテストはしたが)、しかもNSXへの装着としてはシーズン1年目となるヨコハマタイヤでの戦い。お世辞にも万全な体制とは言い難い中、ポテンシャルを最大限引き出そうとするパフォーマンスは、F1での百戦錬磨があってこそだったろう。

バトンはテストも精力的にこなす。いくらF1ドライバーとはいえ、GTへの転換はかなり大変な部分も多そうだ
バトンはテストも精力的にこなす。いくらF1ドライバーとはいえ、GTへの転換はかなり大変な部分も多そうだ

 そのバトンがコンビを組むのはホンダのエース、山本尚貴。チームはチームクニミツとなる。昨年、ホンダ勢としてランキングトップにつけたチームでどのような走りを見せるのか。勝利への探究心が強い山本とのコンビにより、これまでよりもさらなる高みを目指すことになるはずだ。

 加えて、コンビ結成3年目を迎えるKEIHIN REAL RACINGの塚越広大/小暮卓史コンビにも注目。ともに一発の速さとレース中の粘り強さがウリの実力派ドライバー。ゆえに、すべての要因がパチッと組み合わされば怖いものナシの存在になり得る。

KEIHINのコンビは熟成が進んでいる。一発の速さとレースのペースを守ることが求められるGTではかなり強いタッグだ
KEIHINのコンビは熟成が進んでいる。一発の速さとレースのペースを守ることが求められるGTではかなり強いタッグだ

 なお、NSX勢全体としては、2016年の厳しいシーズンから一転、昨シーズンはポールポジションを4回獲得し、2度の優勝を達成する活躍を見せた。

 一方、チームとしての戦歴にムラが多く、シリーズランキング最上位はチームクニミツの7位どまり。ライバルメーカーと遜色ない戦いが進む中で、よりいっそうの安定感が求められそうだ。

 現在、各メーカーはオープニングに向けて開発テスト等を実施。厳冬の中、国内サーキットの”準備演習”が回を重ねるごとに、2018年シーズン開幕がまた一歩、近づく。

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