7年ぶりの日本人ドライバーとなった角田裕毅選手とともに、今シーズンのF1ルーキーとして注目を集めているのが“ミック・シューマッハ”。
父親は7度のF1ワールドチャンピオンに輝いたミハエル(マイケル)・シューマッハ。ミハエルは2013年スキー中、頭部に重傷を負い、現在もスイスの自宅で療養を続けている状況だが、事故に遭った今も変わらず偉大なF1ドライバーとして語られており、その息子であるミックのF1デビューは群を抜いた注目度となっている。
2020年のFIA-F2選手権でチャンピオンに輝き、F1のシートを獲得したミック・シューマッハだが、その実力はどうなのか? そして、偉大な父を超えるようなF1ドライバーになれるのか?
文/津川哲夫
写真/Haas Fomula1 Team
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■伝説のチャンピオンの二世“ミック”
今年ミック・シューマッハが「ハス・レーシング」のレギュラードライバーとしてF1デビューする。彼はマイケル・シューマッハの息子、伝説のチャンピオンの二世だ。
ミックは昨年のF2チャンピオンであり、フェラーリから育成ドライバーとしてサポートを受けている。ハスからのデビューは、近未来にフェラーリワークスのエースになるためのもので、その修業をここで行うというわけだ。
フェラーリによるミックへの期待は大きく、近い将来にフェラーリのスターとなることが強く望まれている。
もちろんここにはミックの才能だけではなく、近代フェラーリの黄金時代を作り上げた彼の父であるマイケル・シューマッハの栄光をその息子に重ね、ミックがフェラーリとティーフォシーに再びその栄光をもたらせてくれるのでは……、と言った感傷的な希望が多くふくまれていることも隠せない。
■ミック・シューマッハの実力は?
ではミックにはその力があるのだろうか、それとも偉大なる親の七光り型ドライバーなのだろうか?
ここ数年多くの若手ドライバーがF1グランプリに登場してきた。しかしF1のドライバーシートを手に入れることはそう簡単ではない。例え飛び抜けた才能を持っていたとしてもライバルは多く、彼らとの激しい戦いを勝ち抜かねばF1への道は遠いのだ。
また潤沢な資金やミックのようにチームに強いコネクションを持っていたとしても、わずか10チーム20席しかないシートの大半はすでに経験豊富なトップクラスドライバーたちに占められていて、実際に新人の狙えるシートはわずか数席しかないのだ。
そんな狭き門を狙う直近の登竜門がF2であり、ミックはそんな厳しく熾烈なF2での戦いを経て、昨年F2チャンピオンに輝いている。
もちろんフェラーリの強い後押しもあったのは確かだが、現在のF2はほぼ肉弾戦の形相。そのなかを勝ち抜き、チャンピオンに至ることは並大抵の力量でかなうことではないのだ。したがってミックは間違いなくF1への権利を手にし、そのことには何の問題もないはずだ。
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