ここまで5戦、琢磨の戦いぶりは?

2018年の琢磨は、インディ500でともに優勝を飾ったチームを離れ、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍している。
チャンピオンを目指すために、ロードコースやショートオーバルでのパフォーマンスも含めた総合力の高さを備えたチームで戦いたいと考えたからだ。
しかし、出場全車が新しい空力パッケージで戦うことになった今シーズン、琢磨のチームは、マシンのセッティングを本当にトップレベルに仕上げ切ることが開幕からの5戦でできていなかった。
ストリートコースで2戦、ショートオーバルで1戦、常設ロードコースで2戦が行なわれたが、琢磨のベストリザルトは、予選がストリートでの5位、決勝はロードコースでの8位と期待を大きく下回っている。
もっとも、琢磨がほぼすべてのレースで不運に見舞われて来ている。チームメイトのグレアム・レイホールがストリートでの2位を筆頭に5戦すべてで一桁フィニッシュしている点からも、チームの実力は決して低くないことがわかる。
琢磨はインディ500の勝ち方を最も知る3人のひとり

琢磨はインディで速いマシンがどんなものなのかを理解している。500マイルの戦いで何が必要なのかもわかっている。新しい空力パッケージでもインディ500というレースの基本的な部分は変わらない。
あとはこのオフシーズンから一緒に働き出したチームと自分たちのマシンをどれだけ高いレベルに仕上げ、どこまで自分の理想とするマシンに近づけられるか。
琢磨は今年の出場者の中で、インディ500での勝ち方を最も深く理解しているドライバー3人の中に入っている。
◆インディ500と連覇
1911年から延べ101回開催されているインディ500で連覇を達成したドライバーは、ウィルバー・ショウ(1939-1940年)、マウリ・ローズ(1947-1948年)、ビル・ブコビッチ(1953-1954年)、アル・アンサー(1970-1971年)、エリオ・カストロネベス(2001-2002年)の5人のみ。
21世紀に入ってから連覇を達成したのはカストロネベスただ一人だ。インディ500ではA.J.フォイトなど3名が歴代最多の通算4勝を記録しているが、このなかで連覇を達成したのはアル・アンサーのみとなっている。
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