大盛況ラリージャパンの「足元」を支えるピレリ 信条は「競技と道はつながっている」

■どのタイヤを選ぶかは…「くじ引き」

 そんなラリーマシンを支えるタイヤについて。

 ピレリはモータースポーツタイヤの製造工場としてルーマニアとトルコに工場を持っている。そのうちルーマニア工場はF1用、トルコ工場でWRC用のタイヤが作られている。ラリージャパン向けのタイヤは2022年7月に製造され船積みされたもの。

 冒頭にも書いたが、ピレリが今回用意したタイヤはRally1用に710本、Rally2、Rally3向けに680本、合計1390本のタイヤを持ち込んでいる。WRCでは1レースで使える本数が制限されており、各マシンはシェイクダウン用を含めて最大26本使うことができる。

 ターマック(舗装路)ラリーとなる日本ラウンドでは、ピレリではRally1車両1台につきハードコンパウンドの「P Zero RA WRC HA」28本、ソフトコンパウンドの「P Zero RA WRC SA」22本、レイン用「チントゥラートRWB」12本を用意。

 Rally2、Rally3用には、ハードコンパウンドの「P Zero RA5」が26本、ソフトコンパウンドの「P Zero RA7+B」を20本、レイン用の「チントゥラートRW1」を12本用意した。

 今回取材に応じてくれたピレリのラリー・アクティビティ・マネージャーのテレンツィオ・テストーニ氏によれば、Rally1は車両の基本構造が同じためか、タイヤに対する要求はそれほど厳しくなく、むしろRally2のほうが要求はシビアだという。

著者(写真右)の取材を受けてくれた、ピレリのラリー・アクティビティ・マネージャーのテレンツィオ・テストーニ氏(写真中)。写真左は日本自動車ジャーナリスト協会の菰田潔会長。ラリージャパン会場のピレリブースバックヤードにて
著者(写真右)の取材を受けてくれた、ピレリのラリー・アクティビティ・マネージャーのテレンツィオ・テストーニ氏(写真中)。写真左は日本自動車ジャーナリスト協会の菰田潔会長。ラリージャパン会場のピレリブースバックヤードにて

 実際供給されるタイヤもRally1用にはハードとソフトという区分けだけが、Rally2,3用にはコンパウンドナンバーが付けられている。「RA5」はコンパウンドの硬さが1~7(数字が多いほうがソフト)のうちの5番目。ちなみにこのコンパウンドは前戦ラリー・スペインでデビューしたコンパウンド。ソフトコンパウンドの「RA7+B」は「RA7」のバージョンアップ版となっており、「RA7→RA7+→RA7+A→RA7+B」と進化してきたもので、日本ラウンド向けに開発されたコンパウンドが搭載されている。

 補足しておくと、Rally1用のタイヤはそもそもスペシャルな構造で、カーカス3枚のトリプルレイヤー+2スチールベルト+アラミド繊維のキャップレイヤでケース自体がガチガチ。基本フレーム構造が同じRally1の場合、市販車ベースのRally2、3ほど車両ごとのマッチングがシビアではないのだろう。

ラリージャパンでいうと、合計19のSS(スペシャルステージ)トータル距離283.27km、全行程965.25kmを走って100分の1秒を競い合うWRCマシン。ワークス勢のタイヤ供給を一手に担うピレリの底力に敬意を表したい
ラリージャパンでいうと、合計19のSS(スペシャルステージ)トータル距離283.27km、全行程965.25kmを走って100分の1秒を競い合うWRCマシン。ワークス勢のタイヤ供給を一手に担うピレリの底力に敬意を表したい

 テストーニ氏の説明で面白かったのは、各車両60本近いタイヤを供給されるわけだが、公平を期すためにくじ引きでどのタイヤを選ぶか決めるのだという。そのためピレリテント裏のタイヤ倉庫にはドライバーのネームプレートとその後ろにくじで引き当てたタイヤが山積みされている。

 また使用制限のあるタイヤ本数をどうコントロールするのか質問すると、タイヤにはすべてチップが埋め込まれていて、専用の読み取り機でどのチームの何本目のタイヤかわかるようになっているのだという。

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