HRCがスーパー耐久に参戦を開始する。ホンダワークスとしてスーパー耐久に参戦する流れは非常に歓迎すべき流れだ。F1をはじめとするホンダのモータースポーツのDNAを注ぎ込んだHRCのS耐活動の真髄とは?
文/写真:ベストカーWeb編集部
■勝つことだけじゃないHRCのモータースポーツ指針
自動車メーカー直轄のチームが多く参加するスーパー耐久のST-Qクラス。トヨタの水素をはじめ、スバル、マツダ、日産とさまざまなアプローチで24時間レースを戦う。
この取り組みで一番評価すべきことはもちろん技術の進化になるが、なによりもメーカー各社が「ガチ」で戦い、挑んでいることだろう。そのST-Qクラスへの参戦はHRCにとっても大きな意義を持つ挑戦になると思う。
2023年5月26日、富士24時間レースの予選直後に記者会見が開かれた。HRCのスーパー耐久参戦の狙いをホンダレーシング企画管理部部長の長井昌也氏が次のように語った。
「これまでのホンダモータースポーツは勝つことで技術と人を磨くことを続けてきたが、モータースポーツを通じて皆さんと喜びを分かち合う活動がHRCに入ってきています」。
常に勝つことを求められてきたホンダワークスだが、それをいかにカスタマーにフィードバックしていくかが求められているということだ。
■目指すのはコンプリートレーシングカー?
やはりカスタマーレーシングの存在はホンダにとっても、そしてHRCにとっても大きなものになりそうだ。かつてはシビックタイプR、インテグラタイプRなどのワンメイクレースがあったのだが、残念ながら消滅してしまった。
とはいえシビックタイプRの熟成とともに、やっぱりホンダにそのような動きが戻ってきたことが嬉しい。
ホンダレーシングの岡義友氏は「今回のCNF-Rもカスタマーのことを考えています。なので扱いやすくて速い、というクルマを実現するためにHRCが擁するドライバーたちの力を借りています」と語る。
今後のカスタマーレーシングの製品展開についてはパーツ供給から始まるのが自然だが、ゆくゆくはカップカーのような形も期待できる。またファングッズの展開など、ホンダが苦手としてきた部門にもHRCとして積極的にかかわっていきたいと前出の長井氏は述べた。
ドライバーのひとりである伊沢拓也選手は「HRCのブランドがどのように定義されるか、そして二輪で築いてきたブランドをいかに四輪でもイメージ付けるかという責任を感じています」と語ったが、HRCが築いてきた歴史を生かしつつ、新たなHRCをシビックタイプRでどう表現するか気になるところ。
スーパー耐久耐久からその情熱を見守っていきたい。
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